今、日本の株式市場で「これほど稼いでいるのに、なぜこれほど評価されないのか?」という最大の矛盾を抱えている銘柄をご存知でしょうか。それが環境インフラの巨人、TREホールディングス(9247)です。

直近の決算では、能登半島地震に伴う災害廃棄物処理という社会的な責務を果たしながら、EPS(1株あたり利益)は前期比3倍超となる240円台を伺う爆発的な伸びを記録。しかし、株価指標に目を向けると、PERはわずか6倍台、PBRは解散価値である1倍近辺で放置されています。

「特需が終われば利益が下がる」という市場の懸念は、果たして正しいのでしょうか? 本記事では、単なるゴミ処理企業から、製造業と連携する「静脈メジャー」へと進化した同社の真実と、今この銘柄を新NISAのポートフォリオに加えるべき理由を徹底解説します。

【S-評価】TREホールディングス(9247)は買いか?PER6倍・PBR1倍の異常な割安放置と静脈メジャーの成長性

TREホールディングス (9247)

静脈メジャーの筆頭。圧倒的割安放置と「WX(廃棄物変革)」で飛躍する循環型社会のインフラ企業。

市場:東証プライム 業種:サービス業(環境・廃棄物処理) 時価総額:871億円中型・バリュー S-評価

【会社概要】どんな会社?

建設廃棄物処理の「タケエイ」と金属リサイクルの「リバーホールディングス」が経営統合して誕生した国内最大級の総合環境企業。 「廃棄物処理・再資源化・エネルギー」をワンストップで手掛ける垂直統合モデルが強み。能登半島地震の復興支援特需により今期利益は爆発的に成長していますが、市場評価は依然として**解散価値(PBR1倍)**近辺に留まっています。

  • 静脈産業の覇者:首都圏の最終処分場と高度選別技術(WX)による高い参入障壁。
  • 驚異のROE:今期予想17.5%。競合他社を凌駕する資本効率と「稼ぐ力」。
  • 動静脈融合:デンソー等との連携により、製造段階からのリサイクルループ(Car to Car)を構築。

投資ハイライト: 【総合評価 S- 】 圧倒的低評価の解消を待つのみ

  • バリュエーションの歪み: PER 6.6倍は競合(20〜30倍)に比べ異次元の安さ。減益リスクを過剰に織り込み済み。
  • 株主還元の強化: 総還元性向35〜40%を目標に掲げ、機動的な自社株買い(20億円規模)を実施。
  • 高配当利回り: 予想利回り3%超。下値支持線としてのPBR1.0倍が機能し、ダウンサイドリスクは極めて限定的。
  • 【注目点】 特需後の「利益の崖」が懸念されるが、市原・相馬の大規模プロジェクト稼働により、平時の基礎収益力が大きく底上げされる見込み。
予想配当利回り

3.02%

配当 50.0円 (25年予) / 増配余力あり

PER (予) / PBR (実)

6.6

/

1.00

東証プライム平均の半分以下。理論株価への修正余地は大。

ROE (自己資本利益率)

17.5%

特需を活かした極めて高い資本効率。
自己資本比率

47.0%

装置産業として盤石の財務構造。M&A余力も十分。

最重要指標①:統合後の安定還元と利回り

タケエイ・リバーの統合以来、普通配当ベースでは安定した還元を継続。 現在は「総還元性向35〜40%」をターゲットとしており、利益成長に応じた還元期待が高まっています。

最重要指標②:EPSの爆発的成長と還元方針

25年3月期は災害復興支援によりEPSが240円超へ急拡大。 一時的な特需であっても、配当の下限設定や機動的な自社株買いにより、一株当たりの価値を毀損しない経営がなされています。

最重要指標③:静脈メジャーへの規模拡大

統合効果により売上高は1,200億円規模へ。 単純なゴミ処理から、高付加価値なリサイクル素材供給(有価物販売)へのシフトにより、平時の利益率も向上傾向にあります。

最重要指標④:買い時の株価目安と戦略

直近1年は復興需要への期待から堅調な推移。PBR1倍ライン(1,600円近辺)が強力な支持線。 アナリストの目標株価コンセンサスは2,417円であり、40%以上の乖離がある「超割安」状態です。 (出典:楽天証券

リスク特性と下値メド

  • ボラティリティ(β値) 0.28

    市場全体との連動が極めて低い独自の需給特性。ポートフォリオの分散に最適。

  • 強力な下値支持線 1,550〜1,650円

    実績PBR1.0倍を割り込む水準は、資産価値から見ても鉄板のエントリーゾーン。

投資判断基準

理論株価 (Target)
2,417円
Strong Buy (推奨)
1,650円以下
ターゲット期待利回り
+40%以上

特需剥落後の減益リスクは既に株価に織り込まれており、現在のPBR 1.0倍水準は長期投資家にとって「負けにくい」水準です。 新NISAの長期保有枠として、配当を受け取りながらバリュエーション是正を待つ戦略が有効。

財務健全性:装置産業としての盤石さ

大規模な設備投資(市原・相馬)を継続中ですが、自己資本比率は47%と高く、金利上昇への耐性も十分です。

指標数値評価
自己資本比率47.0%中計目標の40%を大きく超過。
ネットD/Eレシオ約0.35倍借入に依存しない健全な成長投資。
営業利益率 (平時)10〜12%セクター内で高い収益性を維持。

もっとわかる!TREの現状整理(SWOT)

他社に負けない「稼ぐ武器」

  • ● ゴミ処理から再利用まで一気通貫
    運ぶだけでなく、自社で選別・リサイクル・処分まで全て完結。だから利益が逃げない。
  • ● 「処分場」という名の宝の山
    首都圏に処分場を持つのは至難の業。一度作れば数十年稼げる最強の既得権益。
  • ● 大手メーカーとの直取引
    デンソー等と組んで「廃車から部品へ」の循環を構築。下請けではない強い立場。

気をつけるべき「苦手なこと」

  • ● 金属相場に利益が左右される
    鉄くずなどの価格が下がると、リサイクル部門の利益が削られてしまう。
  • ● 常に「莫大な投資」が必要
    新しい処分場を作るには多額の現金が必要。常に大きな借金と隣り合わせ。
  • ● 地域のイベント(災害等)に依存
    今の高利益は震災復興による「特需」。これが終わった後の落差が不安材料。

これから期待の「チャンス」

  • ● 「捨てるな、再利用せよ」の世界潮流
    環境規制が厳しくなるほど、高度なリサイクル技術を持つTREの出番が増える。
  • ● 業界の「まとめ役」としての拡大
    資金力を活かして地方の小さな産廃業者を吸収し、さらに巨大になれる。
  • ● エネルギー自給への貢献
    木くずなどを燃やして電気を作る「バイオマス発電」が新たな収益源に。

外部からくる「こわい変化」

  • ● 物流コストの爆騰(2024年問題)
    トラック運転手不足で運賃が上がると、ゴミを運ぶコストが重くのしかかる。
  • ● 金利の上昇で借金の利息増
    投資が多い企業なので、世の中の金利が上がると利益が吸い取られてしまう。
  • ● 日本の人口・建物減少
    長期的には家を建てる人が減り、出るゴミの総量が減っていくリスク。

結論:投資判断は「S- (長期保有推奨)」

TREホールディングスは、日本の資源循環の要となる**「静脈メジャー」**であり、ESG投資の文脈でも中心に位置する企業です。 現状のPER 6倍、PBR 1.0倍という評価は、同社の競争優位性と高いROEに対し過小評価が極まっています。 短期的な特需の波に一喜一憂せず、**「脱炭素・循環型社会」**という長期的メガトレンドの受益者として保有を続けるべき銘柄と判断します。

評価カテゴリー別スコア

カテゴリー ランク 評価の根拠
株主還元 A 総還元性向35〜40%。自社株買い実施。配当利回り3%超。
収益性 S ROE 17.5%。競合を引き離す「稼ぐ力」の高さ。
割安性 S PER 6.6倍、PBR 1.0倍。異常なまでのディスカウント状態。
成長性 A WX戦略、市原・相馬の大規模投資。中長期の展望は明るい。

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
※データは2026年1月時点の開示情報に基づいています。

結論として、TREホールディングスは「特需後の崖」を恐れるあまり、将来の成長力というお宝を市場が見逃している、稀に見るバリュー成長株です。

確かに災害廃棄物処理の特需は一過性かもしれません。しかし、同社が推進する「WX(廃棄物変革)」やデンソーとの提携に見られる「資源循環の仕組み化」、そして市原・相馬での大規模プロジェクトは、平時の稼ぐ力を確実に底上げしています。

PER 6倍台という水準は、たとえ利益が半分になっても依然として割安な計算です。PBR 1倍という鉄壁の下値を背に、配当を受け取りながら「社会に不可欠なインフラの価値」が再評価されるのを待つ――。これこそ、新NISAでの長期投資に適した戦略と言えるでしょう。


※本記事は特定の銘柄や証券会社の利用を推奨するものではありません。投資の最終決定はご自身の判断でお願いいたします。

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