新しいNISAが始まり、「高配当株」への注目がこれまで以上に高まっていますね。しかし、ただ利回りが高いだけでなく、「その配当は将来も維持・成長できるのか?」という視点が欠かせません。
今回ご紹介するのは、M&A仲介のリーディングカンパニー、ストライク(証券コード:6196)。同社は自己資本比率85%超という鉄壁の財務基盤と、ROE30%前後を叩き出す驚異的な収益性を誇る優良企業です。
そして何より注目すべきは、2025年9月期から導入される新しい株主還元方針。「配当性向50%以上」かつ「1株180円の下限配当保証」という、株主への強い意志を表明しました。
業界全体への逆風が吹く今、このM&Aの巨人は「買い」なのでしょうか?財務データと新しい中期経営計画を深掘りし、その投資魅力に迫ります。
株式会社ストライク
証券コード:6196
【会社概要】どんな会社?
ストライクは、公認会計士によって設立された独立系のM&A仲介ファームのパイオニアです。主に中堅・中小企業の事業承継や成長戦略を支援し、国内M&A市場でトップクラスの実績を誇ります。着手金無料で成功報酬型という顧客フレンドリーな料金体系と、金融機関等との広範なネットワークが強み。「チーム制」による質の高いサービス提供とコンプライアンス遵守を徹底し、業界の健全な発展をリードする存在です。
- ✔事業領域:中堅・中小企業を主対象としたM&A仲介および関連コンサルティング。
- ✔競争優位性:実質無借金経営の鉄壁な財務、高いブランド力、独自のデータベースとITシステムを活用した高いマッチング能力。
- ✔成長戦略:積極的なコンサルタント採用による体制強化、PMI(経営統合)支援など周辺領域への事業拡大、持株会社体制への移行検討。
投資ハイライト
- 株主還元の劇的強化:新方針で「連結配当性向50%」に加え「1株180円の下限配当」を設定。株主価値向上への強い意志を表明。
- 鉄壁の財務状況:自己資本比率85%超。豊富な現預金を背景にした「実質無借金経営」で、圧倒的な安定性を誇る。
- 業界最高水準の収益性:実績ROEは常に30%前後を維持。資本コストを大幅に上回る価値を継続的に創造。
- 割安な株価水準:業界全体への懸念から、高い収益性や財務健全性に対して株価はPER14倍台と評価されており、割安感が際立つ。
- 構造的な成長市場:経営者の高齢化に伴う事業承継ニーズは増加の一途を辿っており、長期的な市場拡大の恩恵を受ける。
4.39%
1株180円の下限配当保証
14.0倍
4.0倍
高ROEに対して割安な評価
30.1%
業界最高水準の資本効率85.9%
倒産リスクが極めて低い株価推移チャート(10年月足)※楽天証券より
株価は高成長を背景に史上最高値を更新後、業界全体のセンチメント悪化を受け調整局面にある。新還元方針が下支えとなり、ファンダメンタルズの再評価が期待される。
最重要指標:一株当たり配当金の推移
業績拡大に伴い8期連続増配を達成しており、2025年9月期からは株主還元方針を劇的に転換。「配当性向50%以上」かつ「1株当たり180円の下限配当」を導入し、配当額が大幅に引き上げられる計画です。これにより、株価の下方硬直性が高まり、インカム投資家からの新たな資金流入が期待されます。
年間配当履歴(分割調整後)
決算期 | 1株配当 (円) | 決算期 | 1株配当 (円) |
---|---|---|---|
2016年8月期 | 5.83 | 2021年9月期 | 32.00 |
2017年8月期 | 8.00 | 2022年9月期 | 40.00 |
2018年8月期 | 9.00 | 2023年9月期 | 51.00 |
2019年8月期 | 14.50 | 2024年9月期 | 91.00 |
2020年8月期 | 24.00 | 2025年9月期 (予想) | 180.00 |
売上高・営業利益率の推移
M&A市場の拡大を背景に、売上高は過去5年で年平均27%以上の驚異的な成長を達成。先行投資により足元では利益率がやや低下しているが、歴史的に30%を超える高い水準を維持している。
収益性・資本効率
ROEは継続して30%前後の驚異的な高水準を達成。株主資本を極めて効率的に活用し、高い価値を創造し続けている。
財務健全性:「鉄壁のバランスシート」
実質無借金経営で財務基盤は盤石。業界の逆風や景気変動に対する極めて高い耐性を有する。
指標 | 2025年9月期 3Q実績 |
---|---|
自己資本比率 | 85.9% |
有利子負債 | 実質 0円 |
ネットD/Eレシオ | マイナス |
流動比率 | 高水準を維持 |
投資判断の核心
圧倒的な財務基盤と収益性を持ちながら、業界全体の逆風により株価が割安に放置されている。このギャップこそが最大の投資機会である。
リスク要因
投資判断においては、以下のリスクを認識する必要があります。
- 業界への評判リスク: 一部の悪質な業者による問題が、業界全体のイメージを悪化させ、株価の重石となっている。
- 規制強化のリスク: 政府による「中小M&Aガイドライン」改訂など、規制強化の動きが事業の自由度を制約する可能性がある。
- 景気循環リスク: M&A市場は景気動向に敏感であり、深刻な景気後退は案件の減少・長期化につながる可能性がある。
- 人材獲得競争の激化: 事業の核となる優秀なコンサルタントの獲得・維持が、今後の成長の鍵を握る。
競合他社比較
競合他社と比較して、トップクラスのROEと成長性を誇りながら、PER・PBRは割安な水準。新還元方針の浸透により、株価水準の是正が期待される。
指標 | ストライク (6196) | 日本M&Aセンター (2127) | M&Aキャピタル (6080) | M&A総合研究所 (9552) |
---|---|---|---|---|
時価総額(億円) | 787 | 2,305 | 1,026 | 664 |
配当利回り(%) | 4.39% | 4.09% | 1.60% | – |
ROE(%) | 30.1% | 24.1% | 11.7% | 64.2% |
PER(予想, 倍) | 14.0倍 | 20.5倍 | 18.7倍 | 15.9倍 |
※各社指標は2025年10月時点の各種公開情報に基づく参考値です。
中期経営計画と新還元方針
成長投資と株主還元の両立を高いレベルで目指す。
- 成長目標 (〜27/9期): 売上高の年平均成長率15%〜20%を目指す。
- 新配当方針: 「連結配当性向50%以上」かつ「1株180円の下限配当」を導入。
- 成長ドライバー: 積極的な人材採用、PMI等の周辺サービス拡大、持株会社化による機動性向上。
結論:投資判断は「投資適格」
卓越した財務基盤と高い収益性、明確な成長戦略を持つ優良企業です。市場の過度な懸念によって生じた現在の割安な株価は、絶好の投資機会を提供していると考えられます。
業界改革をリードする立場と、ゲームチェンジとなりうる新株主還元方針を考慮すると、「投資適格」な銘柄だと結論付けます。業界センチメントの改善を待てる中長期投資家にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
卓越した収益性、鉄壁の財務基盤、そして明確な成長戦略。ストライクがM&A仲介業界をリードする優良企業であることは間違いありません。
現在の株価は、業界特有の評判リスクや規制強化への懸念を過度に織り込み、その本質的な価値から見れば割安な水準にあると言えるでしょう。この市場の懸念と企業価値との間に生まれたギャップこそ、中長期的な視点を持つ投資家にとって最大のチャンスかもしれません。
特に、「1株180円の下限配当」という新しい株主還元方針は、株価の強力な下支えとなります。
結論として、ストライクは現在の逆風を乗り越え、株主と共に成長していくポテンシャルを秘めた「投資適格」な銘柄だと考えます。ポートフォリオに、長期的な成長と安定した配当をもたらす核心的な銘柄として、検討してみてはいかがでしょうか。
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※本記事は特定の銘柄や証券会社の利用を推奨するものではありません。投資の最終決定はご自身の判断でお願いいたします。
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