4万円台を回復したと思ったら、すぐに失速…なんだか落ち着かない相場が続いていますね。
2025年7月18日(金)の日本株市場は、まさにそんな一日でした。週末に控えた参議院選挙と、ある有名企業の衝撃的な決算が、市場のムードを大きく左右しました。
高配当株投資家としては、こんな時こそ冷静に状況を分析して、じっくりとチャンスをうかがいたいところ。いったい市場で何が起きていたのか、そして来週はどんな点に注意すれば良いのか、一緒にわかりやすく紐解いていきましょう!
本日のマーケット:なぜ日経平均は4万円の壁を越えられなかったのか?
この日の東京株式市場を一言でいうと**「期待先行、失速終わり」**でした。
- 日経平均株価: 39,819.11円 (前日比 -82.08円, -0.21%)
- 東証株価指数 (TOPIX): 2,834.48 (前日比 -5.33, -0.19%)
朝方は、前日のアメリカ市場が好調だったことを受けて、日経平均株価は景気の良いスタートを切り、一時節目の4万円を回復しました。これは、アメリカの個人消費が思ったより強いというニュースが、「日本の景気も大丈夫そうだ」という楽観的なムードを運んできたからです。
しかし、その勢いは長続きしませんでした。なぜなら、日本国内に2つの大きな「壁」が待ち構えていたからです。
- 政治の壁(参院選): 今週末7月20日(日)は参議院選挙の投開票日です。「選挙の結果、政治が不安定になったらどうしよう…」「消費税の行方はどうなるんだろう…」と考えた投資家たちが、連休前に利益を確定させておこうと売りを出したのです。これをイベントリスクと言い、大きなイベントの前は株が売られやすくなる傾向があります。
- 決算の壁(ディスコ・ショック): 半導体を作るための超精密な機械で世界トップクラスのディスコ (6146) が、「今後の業績はちょっと厳しそうです」という見通しを発表。これが市場に衝撃を与え、「ディスコ・ショック」と呼ばれました。ハイテク株の代表格からのネガティブな知らせは、投資家たちの気分(センチメント)を一気に冷やし、「他の会社の決算も危ないかも…」という不安を広げました。
結局、海外からの「楽観ムード」は、国内の「選挙への警戒」と「決算への不安」という2つの壁に阻まれ、日経平均は4万円を維持できずに反落してしまったのです。
セクター動向:ソフトバンクGの一人勝ち?市場の本当の温度感
市場全体を見渡すと、値下がりした銘柄数(1,037)が値上がりした銘柄数(543)のほぼ倍となり、多くの企業が売られた寒い一日だったことがわかります。
そんな中、**「情報・通信業」**セクターは上昇していましたが、これには少しカラクリがあります。
実はこの上昇、大半がソフトバンクグループ (9984) という一社の株価が5%も急騰したことによるもの。同社が出資しているイギリスの半導体設計会社アームが好調だった、という海外のニュースが理由です。
一方で、「不動産業」や「機械工業」、「空運業」といった景気敏感株(景気の良し悪しに業績が左右されやすい銘柄)は軒並み下落しました。
つまり、投資家たちは「選挙や国内景気の影響を受けそうな株は売り」、はっきりとした「海外発の良いニュースがある株(ソフトバンクG)にだけ買い」を集中させた、ということです。非常に慎重で、リスクを避けたいという心理が透けて見えますね。
【厳選】注目の個別株ディープサーチ
こんな相場だからこそ、一時のムードに流されず、企業の足元をしっかり見ることが大切です。高配当株投資家目線で、気になる銘柄をチェックしてみましょう。
【大型株編】安定感と潜在力で選ぶなら
注目高配当株分析
企業名 | 証券コード | ROE(連結実績) | 配当利回り(予想) | 本日の騰落率(概算) | どんな会社? | 高配当投資家としての注目ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
川崎汽船 | 9107 | 18.85% | 5.86% | -0.57% | 日本の大手海運会社の一つ。世界中の荷物を運んでいます。 | 魅力はなんといっても高い配当利回り。一方で業績は世界経済の動向に大きく左右されます。利回りを享受しつつ、国際ニュースにも気を配りたい銘柄です。 |
三菱UFJ FG | 8306 | 9.29% | 3.49% | -0.18% | 日本最大の金融グループ。私たちの生活に欠かせない銀行です。 | 日銀の金利正常化(ゼロ金利からの脱却)が実現すれば、大きな追い風が吹きます。安定配当に加え、株主還元強化への期待も高く、ポートフォリオの土台にしたい銘柄です。 |
イオン | 8267 | 11.71% (前期) | 0.77% | +1.61% | 「イオンモール」などでお馴染みの日本を代表する総合小売企業。 | この日は逆行高で年初来高値を更新。背景には「選挙結果次第で消費税減税があるかも?」という投機的な期待があります。ただし、決算発表を延期しているという懸念材料も。政治の動向に株価が左右されやすい、少しトリッキーな状況です。 |
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【中小型株編】ニッチな魅力と高い利回り
注目高配当株分析
企業名 | 証券コード | ROE(連結実績) | 配当利回り(予想) | 本日の騰落率(概算) | どんな会社? | 高配当投資家としての注目ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
THK | 6481 | 2.82% (前期) | 6.53% | +0.60% | 工場の機械などに使われる「直動案内機器」で世界トップ。 | 6%超という驚異的な配当利回りが魅力。株主還元に積極的ですが、世界の設備投資の動向が鍵を握ります。 |
芙蓉総合リース | 8424 | 9.98% | 3.2% (実績) | -0.80% | 企業に機械や設備などを貸し出す(リース)事業が主力。景気の影響を受けにくい安定したビジネスモデルが強み。 | 市場が不安定な時に輝く、守備的な高配当株の代表格です。 |
テクノ菱和 | 1965 | 11.2% (前期) | 2.60% | +4.63% | ビルや工場の大規模な空調設備工事を手掛ける会社。 | 市場が荒れる中、大幅高を記録。安定した収益基盤を持つ優良な小型株として、投資家の「避難先」になっているのかもしれません。 |
守谷商会 | 1798 | 13.9% (前期) | 3.98% | +1.64% | 機械の専門商社。堅実な顧客基盤を持つ小型バリュー株。 | テクノ菱和と同様に堅調な値動き。派手さはありませんが、着実な事業と配当で、長期投資家から評価されています。 |
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注:ROE、配当利回りは2025年7月18日時点のデータや直近の決算情報を参考にしています。最新のデータはご自身でもご確認ください。
【番外編】今日、大きく動いた銘柄たち
高配当株とは少し違いますが、市場を理解するために今日の「主役」たちも見ておきましょう。
- 【悪材料】ディスコ (6146) – 「ディスコ・ショック」の震源地
- -8.8%の急落。厳しい業績見通しと減配の発表が、これまで市場を引っ張ってきた「半導体ブーム」に冷や水を浴びせました。多くの投資家が失望売りを出した結果です。
- 【好材料】ビジョナル (4194) – アナリストレポートで急騰
- +5%超の大幅高。SBI証券が「買い」推奨のレポートを出したことがきっかけ。一つの強力な材料が、市場全体の雰囲気を無視して株価を押し上げる典型的な例です。
- 【需給ショック】クリングルファーマ (4884) – 2日連続ストップ安
- 大規模な新株発行(増資)の発表が原因。株の数が増えることで、1株あたりの価値が薄まる(希薄化)ことを嫌気した売りが殺到しました。バイオベンチャー投資の難しさを示す事例です。
来週の展望:主役は「政治」から「企業決算」へ
さて、気になる来週の動きです。市場の関心は、週末の「政治」から、週明け以降の「企業業績」へと移っていきます。
- まずは参院選の結果に注目
- 与党勝利の場合: 政治の安定が好感され、ひとまず安心感から買い戻される可能性があります。
- 与党が過半数割れの場合: 政治の先行き不透明感から、週明けは売りが先行するかもしれません。
- 本当の主役は「決算発表シーズン」
- しかし、選挙の結果がどうであれ、投資家の関心はすぐに企業の4-6月期決算へと移ります。「ディスコ・ショック」でハードルが上がった今、各社がどんな業績見通しを示すのか、投資家は固唾をのんで見守っています。
来週は、選挙結果で市場全体が動いた後、個別の企業の決算内容によって株価が大きく動く**「銘柄選別の相場」**が本格化しそうです。マクロ(全体の動き)からミクロ(個別の企業)へ。こんな時こそ、私たち高配当株投資家は、目先の株価に一喜一憂せず、応援したい企業のファンダメンタルズ(基礎的な実力)をじっくりと見極める良い機会と言えるでしょう。
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この記事が、皆様の市場理解の一助となれば幸いです。ただし、本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、情報提供のみを目的としています。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任においてお願いいたします。
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