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【2025年7月第2週 市場分析】4万円の壁と円安加速の1週間:高配当株投資家はどう動いた?

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「日経平均株価、4万円目前でまた足踏みか…今週もあまり動きがなかったな」

もし、あなたがそう感じていたら、少し待ってください。実は、水面下では大きな潮目の変化が起きていたんです。

ニュースの見出しになる日経平均株価は少し下がりましたが、市場全体の実力を示す**TOPIX(東証株価指数)は意外にも底堅く、元気でした。この不思議な現象の裏には、「円安」「個別企業の頑張り」**という、私たち高配当株投資家にとって見逃せない2つの大きなテーマが隠されています。

今回は、一見すると退屈な相場の裏側を一緒に読み解き、来週からの投資戦略のヒントを探っていきましょう!


【今週の振り返り】なぜ?日経平均は停滞、でも市場全体は元気だったワケ

今週(7月7日~11日)の日本株市場を一言でいうと、**「日経平均とTOPIXの温度差が際立った一週間」**でした。

  • 日経平均株価: 週間で-0.61%の下落。2週連続のマイナスです。
  • TOPIX(東証株価指数): 全体としては底堅い動き。

【簡単解説】日経平均とTOPIXの違いって?

  • 日経平均: 日本を代表する225社の株価から計算される指数。特定の有名企業(例えばユニクロのファーストリテイリングなど)の値動きに大きく影響されやすい特徴があります。
  • TOPIX: 東証に上場するほぼ全ての企業の株価を元に計算される指数。市場全体の「平均点」や「体温」のようなもので、より幅広い実態を映し出します。

今週、日経平均が下がった大きな原因は、指数への影響力が非常に大きいファーストリテイリングの株価が、決算内容を受けて急落したことでした。これに、週末のSQ(※)に絡んだ投機的な売りも加わり、心理的なカベである「4万円」をなかなか超えられなかったのです。

【簡単解説】SQ(特別清算指数)って? 簡単に言うと、株の先物取引などの「決済日」のことです。この日に向けて特殊な売買が増えるため、株価が普段とは違う動きをすることがあります。

一方で、TOPIXが強かったのは、**「多くの投資家が、日経平均の値動きに惑わされず、良い会社を個別に選んで買っていた」**ことの証です。

まさに、どの銘柄を選ぶかがリターンを左右する**「ストックピッカーズ・マーケット(銘柄選別相場)」**。これは、私たち高配当株投資家にとっては、腕の見せ所であり、大きなチャンスがある相場環境と言えそうです。


【マクロ環境】今週の主役は「円安」!もはやボーナスではなく、投資のコアテーマに

今週の株価を動かした最大の要因は、国内のニュースよりも、**「為替(円安)」「米国市場」**の動向でした。

ドル円は一時147円台へ!円安が止まらない理由

今週、為替市場では円安が急加速しました。その背景には、2つの強力な理由があります。

  1. 強すぎるアメリカの経済指標: 先週発表された米国の雇用統計が予想以上に良かったため、「アメリカはまだまだ景気が強いから、利下げは当分先になりそうだ」という見方が強まりました。これにより、金利の高いドルが買われ、円が売られたのです(日米金利差の拡大)。
  2. トランプ米大統領の発言: 通商政策に関する発言などが地政学リスクを高め、「何かあった時のためにドルを持っておこう」という**「有事のドル買い」**を誘いました。

かつて円安は日本株にとって「追い風」とされていましたが、今や**「投資のコアテーマ」そのもの。円安の恩恵を受けやすい精密機器**などの輸出企業に積極的に資金が流れていることからも、投資家が円安を前提に動いていることがよく分かります。

S&P500は最高値更新!でも、手放しでは喜べない?

米国市場では、S&P500種株価指数が史上最高値を更新し、日本株の心理的な支えとなりました。

しかし、この株高の背景にある「強すぎる経済」は、米国の利下げを遠のかせる**「悪い金利上昇」**の側面も持っています。アメリカの金利が高いままだと、株の割高感が意識されやすく、日本株が一本調子で上がり続けるのは難しいかもしれません。


【業種別チェック】円安を味方につけたセクター、泣いたセクター

今週の「銘柄選別相場」の様子は、業種別のランキングを見ると一目瞭然です。

順位上昇セクター騰落率順位下落セクター騰落率
1パルプ・紙+3.55%33繊維製品-2.50%
2精密機器+3.01%32水産・農林業-1.95%
3鉱業+2.85%31証券、商品先物-1.58%

🚀 上昇が目立ったセクター

  • パルプ・紙 (+3.55%): 製品の値上げによる収益改善への期待が継続。日本製紙などが人気を集めました。
  • 精密機器 (+3.01%): 円安の恩恵を最も直接的に受けるセクター。海外での売上が大きいHOYAなどが買われました。

😢 下落が目立ったセクター

  • 小売業 (-1.00%): ファーストリテイリング1社の急落がセクター全体を押し下げました。一方で、良品計画のように好決算で急騰した銘柄もあり、明暗が分かれました。
  • 医薬品 (-0.88%): ディフェンシブセクター(※)の代表格。市場がリスクオン(強気)ムードになると、相対的に魅力が薄れ、資金が他のセクターへ移りやすい傾向があります。

【簡単解説】ディフェンシブセクターって? 景気の良し悪しに関わらず、業績が比較的安定している業種のことです。食品、医薬品、通信などが代表で、不景気な時に株価が下がりにくい「守り」の銘柄として知られています。


【厳選】今週、市場で輝いた注目高配当株たち

それでは、具体的な銘柄の動きを見ていきましょう。大型株から中小型株まで、今週特に注目を集めた企業をピックアップしました。 (各企業の詳細データは、このセクションの最後に表でまとめています)

大型株編:マクロ環境を追い風に

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)
    • どんな会社?: 日本最大の金融グループ。
    • なぜ注目された?: 米国の長期金利が上昇したことで、銀行の収益源である「利ざや」が改善するとの期待から買われました。日銀の追加利上げへの思惑も根強い追い風です。
  • HOYA (7741)
    • どんな会社?:メガネレンズや半導体関連の部材などを手掛ける精密機器メーカー。
    • なぜ注目された?: 急速な円安進行が大きな追い風に。海外売上高比率が非常に高く、業績へのプラス効果が期待されています。アナリストの強気な評価も買いを後押ししました。
  • 武田薬品工業 (4502)
    • どんな会社?: 国内製薬業界の最大手。
    • なぜ注目された?: 医薬品セクター全体が軟調な中でも、株価は底堅く推移。「40年以上減配していない」という実績と、4%台後半という高い配当利回りが、インカムゲイン狙いの投資家からの買いを支えました。

中小型株編:個別材料で株価が大きく動いた銘柄たち

  • 日本製紙 (3863)
    • どんな会社?: 大手の製紙会社。
    • なぜ注目された?: 週間で+8.3%と驚異的な上昇。製品価格の値上げによる収益改善期待などから、「パルプ・紙」セクター全体に資金が流入し、その流れを象徴する動きを見せました。
  • 良品計画 (7453)
    • どんな会社?:「無印良品」を展開する小売企業。
    • なぜ注目された?: 市場予想を大幅に上回る好決算と業績の上方修正、さらに株式分割の発表という「トリプルサプライズ」で株価が急騰しました。
  • 三光合成 (7888)
    • どんな会社?: 自動車や家電向けの精密プラスチック部品メーカー。
    • なぜ注目された?: 予想を大幅に上回る好決算に加え、増配、さらに来期の増益・増配計画まで発表。過去・現在・未来のすべてにわたるポジティブサプライズで、株価はストップ高を記録しました。
  • 四国化成ホールディングス (4099)
    • どんな会社?: 化学品や建材などを手掛けるメーカー。
    • なぜ注目された?: 「先端半導体向け材料の新工場を建設する」という発表が強烈なサプライズに。将来の成長への高い期待から、株価は週間で12%近い急騰を見せました。

【参考】今週の注目銘柄データ一覧

株式情報一覧

株式情報一覧

区分 企業名 証券コード 時価総額(億円) 配当利回り(%) 自己資本比率(%)
大型株 三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 238,897 2.54 18.0
大型株 HOYA 7741 63,495 0.84 (参考) 85.3
大型株 武田薬品工業 4502 68,024 4.60 44.2
中型株 日本製紙 3863 1,165 3.55 45.4
中型株 良品計画 7453 7,654 1.48 (参考) 67.3
中型株 三菱HCキャピタル 8593 15,861 3.79 14.5
中型株 AGC 5201 9,554 4.78 47.7
中型株 神戸製鋼所 5406 6,516 4.87 38.0
中型株 サンフロンティア不動産 8934 2,096 3.63 50.2
小型株 三光合成 7888 412 3.86 41.1
小型株 タチエス 7239 700 5.91 59.6
小型株 日本トムソン 6480 383 4.63 56.0
小型株 四国化成ホールディングス 4099 900 73.0
小型株 大阪有機化学工業 4187 581 2.48 (参考) 81.4

注: データは参考情報です。最新の情報は各企業の公式サイトや金融情報サイトでご確認ください。

※データは2025/7/11終値ベース。 ※HOYA、良品計画、大阪有機化学工業は配当利回りが3%未満ですが、今週の動きが特徴的だったため参考掲載。 ※四国化成HDは直近の配当データが未確定のため「-」としています。


【来週の戦略】最重要イベントを乗りこなし、チャンスを掴むには?

さて、来週の相場の流れを決定づけるのは、**7月15日(火)に発表されるアメリカの6月消費者物価指数(CPI)**で間違いありません。

この数字が市場の予想より「強い」か「弱い」かで、円安・円高の流れが大きく変わる可能性があります。

  • CPIが予想より強かった場合: さらなる円安が進み、輸出企業には追い風。
  • CPIが予想より弱かった場合: 円高への揺り戻しが起き、内需系の企業が見直される可能性。

このような環境で、私たち高配当株投資家はどう動けば良いでしょうか?

高配当株投資家としてのスタンス

  1. ポートフォリオのバランスを意識する 為替がどちらに動いてもいいように、円安メリットのある輸出株(自動車、精密機器など)と、円高でも安定している内需・ディフェンシブ株(食品、通信、リースなど)をバランス良く持っておくと、リスクを抑えながら安定した配当収入を目指せます。
  2. 決算シーズンの「お宝銘柄」を探す準備を! 今週の良品計画や三光合成のように、良い決算や増配などを発表した企業には、市場全体の雰囲気とは関係なく資金が集まります。これから本格化する決算発表に向けて、好業績が期待できる企業や、株主への還元を強化してくれそうな企業を今のうちからリサーチしておくと、大きなリターンに繋がるかもしれません。

来週は米CPIの結果次第で相場が大きく動く可能性があります。短期的な値動きに一喜一憂せず、どっしりと構え、個別企業の本当の実力(ファンダメンタルズ)に注目していく冷静な姿勢が、これまで以上に大切になる一週間となりそうです。


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皆さんは来週、どんな銘柄に注目していますか?ぜひコメントで教えてくださいね。

この記事が、皆様の市場理解の一助となれば幸いです。ただし、本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、情報提供のみを目的としています。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任においてお願いいたします。

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