新NISAの「成長投資枠」で、中長期でじっくり資産を育てたい。でも、景気後退でいきなり減配するような銘柄は怖い……。
そんな「安定感」と「成長性」を両立させたい投資家に注目されているのが、国内バルブ首位のキッツ(6498)です。
「配当利回り約2.7%」と聞くと、高配当銘柄としては物足りないかもしれません。しかし、キッツの真の魅力は「高配当」ではなく「配当成長」にあります。
この記事では、5期連続増配(予想)を支える「自己資本比率60%超」の鉄壁の財務基盤と、半導体・水素といった成長分野への展開を分析し、キッツが新NISAのポートフォリオにふさわしい銘柄か、徹底的に評価します。
株式会社キッツ
証券コード:6498
【会社概要】どんな会社?
1944年設立、日本を代表する総合バルブメーカーで国内首位。ビル建築設備、石油化学、水処理から半導体製造装置、水素ステーションまで、社会インフラに不可欠な製品を供給。国内第2位の伸銅品(黄銅棒)事業も手掛ける。「KITZ」ブランドは高い認知度を誇り、海外売上高比率は約35%に達する。
- ✔事業領域:バルブ事業(建築設備、石油化学、半導体、水素等)、伸銅品事業。
- ✔競争優位性:国内トップシェアと高いブランド力。幅広い製品群と販売網。
- ✔財務基盤:極めて強固な財務。自己資本比率は60%超、ネットD/Eレシオは4.9%と低水準。
投資ハイライト:配当成長と鉄壁の財務
- 5期連続増配(予想): 2025年12月期 予想配当は48円(前期比+2円)。2020年12月期から増配を継続中。
- 配当方針: 「連結配当性向35%前後」と安定・継続性に配慮。業績成長が配当成長に直結する。
- 健全な利回り: 予想配当48円、株価1,782円換算で 約2.7%。高配当ではないが、成長性が魅力。
- 成長戦略: 半導体、水素、データセンターなど成長分野に注力。中期計画で2027年ROE 11%以上を目指す。
- 機動的な自社株買い: 2024年に30億円の自社株買いを実施。総株主利回りを意識した還元姿勢。
- 株主優待: 100株以上で宿泊優待券など。1,000株以上(長期保有特典あり)でクオカード等。
- 【最大の特徴】 自己資本比率63.5%という鉄壁の財務基盤。景気後退耐性が高く、配当の継続性に安心感。
2.70%
配当性向 35%前後 / 5期連続増配(予)
13.4倍
1.37倍
セクター平均比で割安だが、過去比では適正水準
11.3%
資本効率は良好。2027年目標11%以上63.5%
財務基盤は極めて強固(ネットD/E 4.9%)株価推移チャート(10年月足)※楽天証券より
株価は長期的な上昇トレンド。特に2023年以降は業績の堅調さと株主還元強化が評価され、52週高値圏での推移が続いている。過去1年で70%超の上昇となっており、市場の期待が織り込まれつつある。
最重要指標:一株当たり配当金の推移
最大の魅力である配当の「成長性」。2020年12月期(決算期変更)以降、増配を継続しており、2025年12月期(予想)で5期連続の増配となる見込み。
配当性向35%前後の方針のもと、EPS(1株利益)の成長と共に配当も着実に成長している。
売上高・一株当たり利益(EPS)の推移
売上高・利益ともに堅調に成長。2025年12月期(予想)はEPSが一時的に微減する見通しだが、2026年12月期(予想)は再び力強い成長を見込む。中期経営計画では2027年に売上2,000億円を目指す。
収益性・資本効率 (ROE)
ROE(自己資本利益率)は2024年12月期に11.3%と、目標の10%を上回る高い水準。中期経営計画では2027年に11%以上、2030年に13%以上を目標とし、資本効率への高い意識がうかがえる。
財務健全性:「鉄壁」
財務基盤は極めて強固。高い自己資本比率と潤沢な手元資金は、景気後退局面でも配当や成長投資を継続する裏付けとなる。
| 指標 | 時点 |
|---|---|
| 自己資本比率 | 63.5% (25/6) |
| 有利子負債 | 361億円 (24/12末) |
| ネットD/Eレシオ | 4.9% (24/12末) |
| 流動比率 | 300.3% (24/12末) |
投資判断の核心
ヒューリックのような高レバレッジ・高配当企業とは対照的。キッツは「低レバレッジ・財務健全」であり、配当の源泉は「本業の利益成長」にある。
リスク要因
財務リスクは低いものの、以下の事業リスクを認識する必要があります。
- 景気循環リスク: 主力のバルブ事業は、建築設備や半導体工場の設備投資動向に左右される。
- コスト変動リスク: 銅や鋼材などの原材料価格、エネルギー価格の高騰は利益を圧迫する。
- 為替変動リスク: 海外売上高比率が約35%あり、円高局面では業績換算でマイナスの影響が出る。
- 低収益事業: 伸銅品事業は利益率が低く、市況変動の影響を受けやすい。
競合他社比較(バルブ関連・機械)
同じバルブ関連や機械セクターの競合他社と比較します。キッツ(6498)は、スタンダード市場の競合(時価総額74億〜310億)と比べて時価総額1,513億円と企業規模が圧倒的に大きい点が特徴です。
PBR(1.37倍)・ROE(11.3%)が共に高く、他社(PBR 1倍割れ、ROE 5-6%台)と比較して、資本効率と成長性が市場から高く評価されていることがわかります。配当利回り(2.7%)は、前澤給装(4.16%)には及びませんが、他社(1-2%台)よりは高い水準です。
| 指標 | キッツ (6498) | 前澤給装 (6485) | 中北製作所 (6496) | オーケーエム (6229) | TVE (6466) |
|---|---|---|---|---|---|
| 時価総額(億円) | 1,513 | 310 | 232 | 81 | 74 |
| 配当利回り(%) | 2.70% (予) | 4.16% (予) | 1.82% (予) | 2.23% (予) | 1.33% (予) |
| PER(予想) | 13.4倍 | 14.9倍 | 17.1倍 | 18.0倍 | 11.7倍 |
| PBR(倍) | 1.37倍 | 0.76倍 | 0.80倍 | 0.79倍 | 0.60倍 |
| ROE(%) | 11.3% (実績) | 6.04% (実績) | 6.89% (実績) | 5.55% (実績) | 6.87% (実績) |
| 自己資本比率(%) | 63.5% | 86.4% | 69.8% | 78.3% | 73.1% |
※指標は2025年10月29日時点または各社直近決算に基づく参考値です。
中長期成長戦略「SHIN Global 2027」
中期経営計画(2025-2027)を推進中。成長分野への投資と資本効率の向上を目指す。
- 成長分野: 半導体、水素、機能性化学、データセンター分野に注力。
- 成長目標 (2027年): 売上高 2,000億円、営業利益 200億円(利益率 10%)。
- 資本効率目標 (2027年): ROE 11%以上、ROIC 7.5%以上。
- 株主還元: 「連結配当性向35%前後」を堅持し、業績成長に応じた増配を目指す。
結論:投資判断は「投資適格(配当成長)」
「5期連続増配(予想)」と「配当性向35%前後」の方針は、配当の「成長」を重視する投資家にとって非常に魅力的です。
現在の利回り(約2.7%)自体は高くありませんが、その源泉は「自己資本比率60%超」という鉄壁の財務基盤と、本業の安定した利益成長です。
高レバレッジ企業の高配当とは異なり、減配リスクは極めて低いと評価できます。
中期経営計画が示す通り、半導体や水素などの成長分野で利益を伸ばすことができれば、業績連動での「連続増配」が今後も期待できます。
高い財務安全性を前提に、中長期的な増配(配当成長)を狙う投資家にとって「投資適格」と判断します。株価が大きく上昇した後であり、バリュエーションは適正水準。高値掴みは避け、景気後退などで株価が調整した局面が、魅力的な買い場となるでしょう。
主な投資用語の解説
PER (株価収益率): 株価が1株当たり純利益の何倍かを示す指標。低いほど割安とされる。
PBR (株価純資産倍率): 株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標。1倍が解散価値とされ、低いほど割安とされる。
ROE (自己資本利益率): 企業が自己資本(株主資本)を使ってどれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標。高いほど収益性が良い。
DOE (純資産配当率): 企業が自己資本(純資産)に対してどれだけの配当を支払ったかを示す指標。利益変動の影響を受けにくく、配当の安定性を見るのに使う。
自己資本比率: 総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務の安全性が高い(キッツは60%超と非常に高い)。
ネットD/Eレシオ (純有利子負債自己資本比率): 実質有利子負債が自己資本の何倍かを示す指標。低いほど財務の安全性が高い。(キッツは4.9%と極めて低い)
流動比率: 短期的な支払い能力を示す指標。流動資産 ÷ 流動負債で計算され、高いほど安全(キッツは300%超と非常に高い)。
キッツ(6498)の最大の魅力は、「5期連続増配(予想)」に象徴される**「配当成長性」と、それを下支えする「鉄壁の財務基盤」**にあります。
現在の配当利回り約2.7%は、高レバレッジ企業の高配当(ハイリスク・ハイリターン)とは対極です。キッツの配当は「自己資本比率60%超」という圧倒的な財務安全性と、本業の安定した利益成長に裏打ちされており、景気後退局面でも減配リスクが極めて低いのが特徴です。
中期経営計画が示す通り、半導体や水素などの成長分野で利益を伸ばすことができれば、今後も業績に連動した「連続増配」が期待できます。
【キッツ(6498)は、こんな投資家におすすめ】
- 高い財務安全性を最優先したい
- 目先の高配当より、中長期での「配当が育つ楽しみ」を重視したい
- 新NISAで減配リスクの低い銘柄をじっくり保有したい
株価は過去1年で大きく上昇しており、バリュエーションは適正水準です。高値掴みは避け、景気後退などで株価が調整した局面こそ、中長期投資家にとって魅力的な買い場となるでしょう。
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※本記事は特定の銘柄や証券会社の利用を推奨するものではありません。投資の最終決定はご自身の判断でお願いいたします。
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