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アイホン(6718)株価分析。配当利回り4.6%は買いか?

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moomoo証券【WEB】

新NISAの成長投資枠で、安定した高配当株を探している皆さん。インターホン国内最大手、「アイホン(6718)」をご存知でしょうか。

予想配当利回りは4.6%超 、さらに自己資本比率は86%を超える「鉄壁の財務」を誇り 、一見すると長期保有に最適の銘柄に見えます。  

しかし、その高い利回りを鵜呑みにするのは危険かもしれません。

当社の徹底した分析により、この銘柄には「過去の減配実績 」と、足元で進行中の「深刻な業績悪化 」という、高配当株投資家が最も警戒すべき2つの重大なリスクが潜んでいることが明らかになりました。  

本記事では、アイホン(6718)が本当に新NISAなどで長期投資するに値する銘柄なのか、その「魅力」と「隠れたリスク」を徹底的に解剖します。

【利回り4.7%】アイホン(6718)は買いか?「80円配 undisclosedフロア」と「減配実績」を分析

アイホン 株式会社

証券コード:6718

市場:東証プライム・名証プレミア 業種:電気機器 時価総額:約497億円【小型株】
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【会社概要】どんな会社?

住宅用インターホンで国内シェア約5割を誇る最大手。集合住宅向けシステムや、病院・介護施設向けのナースコールシステムでも高いシェアを持つ。 海外売上高比率が約3割あり、特に北米市場に注力してきたが、足元では在庫調整により急失速している。

  • 事業領域:インターホン、ナースコール、セキュリティシステムの製造・販売。
  • 競争優位性:国内インターホン市場での圧倒的なブランド力とシェア。病院・介護施設向けナースコールという安定市場。
  • リスク要因:北米市場の急失速(在庫調整)。国内の利益激減(-77.5%)。楽観的な会社計画による下方修正リスク。
  • 財務基盤:極めて強固な「実質ネットキャッシュ」企業。自己資本比率86%超。倒産リスクは皆無。

投資ハイライト:高利回りと鉄壁財務の裏にある懸念

  • 魅力的な利回り: 予想配当130円、株価2,745円換算で 約4.73%。(※2025/11/4時点 2,813円換算では 4.62%)
  • 限定的な配当方針: 「年間配当80円を下回らないことを念頭に」配当する方針(80円フロア)を公表。 ただし、累進配当やDOE(純資産配当率)は採用していない。
  • 【最重要リスク】過去の減配実績: 業績悪化に伴い、2023年3月期に年間配当を91円→80円に減配した実績がある。 安定配当への信頼性は盤石ではない。
  • 足元の深刻な業績悪化: 2026年3月期 第2四半期決算は、営業利益が前年同期比 -57.9%と惨憺たる結果。 北米(在庫抑制)と国内(-77.5%)の両事業が急失速している。
  • 【唯一の強み】 自己資本比率86.7%、純現金250億円超の「実質ネットキャッシュ」。この鉄壁の財務が高配当を支える唯一の拠り所。
  • 【注意点】 株主優待の制度はありません。
予想配当利回り (26/3期 予想)

4.62%

80円の配当フロア方針(DOE不採用)

PER (26/3期予) / PBR (実績)

12.4

/

0.74

PBR 1倍割れ(低ROEが原因)

ROE (自己資本利益率, 25/3期実績)

5.50%

資本効率は低迷(PBR 1倍割れの主因)
自己資本比率 (25/3期)

86.7%

財務基盤は鉄壁(実質ネットキャッシュ)

株価推移チャート(10年月足)※楽天証券より

株価は2024年3月期の大幅増配(80円→130円)発表により急騰。 しかし、2026年3月期 第2四半期(2025年11月発表)の深刻な業績悪化(営業利益 -57.9%)を受け、足元では株価が下落トレンドに入っている。 通期予想を据え置いているため、今後の下方修正リスクが株価の強い上値抵抗となっている。

アイホン(6718)の10年月足株価チャート

最重要指標:一株当たり配当金・配当性向の推移

ご依頼のあった2017年3月期以降の配当推移です。※2023年9月(1→2株)の株式分割を反映した調整後ベース。
最大の注意点は、2023年3月期に業績悪化に伴い「91円 → 80円」への減配を実施した実績があることです。
2024年3月期に業績回復を受け130円へ大幅増配しましたが、現在の配当方針は「年間80円を下限」とするものに留まります。 DOE(純資産配当率)は採用しておらず、 業績が再度悪化した場合、現在の130円配当が維持される保証は(80円フロアまで)ありません。

売上高・一株当たり利益(EPS)の推移

EPS(1株当たり利益)の変動が非常に激しく、安定成長とは言えません(2022/3期: 258円 → 2023/3期: 179円 → 2024/3期: 284円 → 2025/3期: 221円)。 2026年3月期(予想)は、上半期(H1)が前年比 -57.9%(営業利益)と極めて深刻な状況です。 会社は通期予想(EPS 226円)を据え置いていますが、これは下半期(H2)のV字回復を前提とした楽観的な計画であり、下方修正リスクが極めて高いと判断します。

収益性・資本効率 (ROE)

ROE(自己資本利益率)は2025年3月期実績で5.50%と低迷しています。 これは株主資本コスト(推定8%~10%)を大きく下回っており、株主から預かった資本を効率的に使えていないことを示しています。 これがPBR 1倍割れの根本的な原因です。

財務健全性:「鉄壁」

唯一の評価点であり、高配当の拠り所です。倒産リスクは皆無です。

指標時点 (25/3期)
自己資本比率86.7%
有利子負債ほぼゼロ
現金及び預金252億円
ネットD/Eレシオ実質ネットキャッシュ
流動比率553%

投資判断の核心

営業キャッシュフローは安定的に黒字。時価総額約497億円に対し、純現金250億円超を持つ「金庫株」。 この豊富な手元資金が、業績悪化局面でも配当(フロア80円)を維持する下支えとなっています。

リスク要因(深刻な業績悪化)

財務リスクは皆無ですが、事業リスクが顕在化しています。

  • 北米市場の急失速: 2026年3月期H1で、北米の販売代理店による「在庫抑制」が直撃。米国経済の不透明感から、このリスクは継続する可能性が高いです。
  • 国内事業の利益激減: H1で国内事業の営業利益が -77.5%と壊滅的状況。リニューアル需要の一巡とコスト増が利益を圧迫しています。
  • 楽観的すぎる会社計画(下方修正リスク): H1の営業利益進捗率が通期目標(45億円)のわずか19.8%(8.9億円)にも関わらず、会社は通期予想を据え置き。 これは下半期のV字回復を前提とした楽観的シナリオであり、業績下方修正は時間の問題と見られます。
  • 減配リスクの再燃: 業績下方修正により予想EPSが130円に近づく(配当性向100%超)事態になれば、2023年の悪夢(減配)が再来するリスクがあります。

競合他社比較(通信・セキュリティ機器)

アイホンはPBR 0.74倍と解散価値を大きく割り込んでいます。 これは「超高財務・低PBR・低ROE」という典型的な「万年割安株」のカテゴリに属していることを示します。 高利回りは魅力的ですが、サクサ(6675)のようにROEが10%を超えている高効率企業と比べると、資本効率の低さ(稼ぐ力の弱さ)が際立ちます。

指標 アイホン (6718) TOA (6809) アイコム (6820) サクサ (6675)
PBR(倍)0.74倍1.00倍0.68倍1.04倍
配当利回り(%)4.62%5.27%3.06%4.43%
ROE(実績, %)5.50%4.92%4.43%11.84%
自己資本比率(%)86.7%66.8%91.2%68.1%

※指標は2025年11月上旬時点または各社直近決算に基づく参考値です。

成長戦略と株主還元

中期経営計画「AIPHONE Vision 2025」は、初年度から下方修正リスクに直面しており、信頼性に疑問符が付きます。

  • 深刻な業績悪化: 2026年3月期H1の営業利益は -57.9%。北米・国内ともに事業が失速。
  • 下方修正リスク: 通期予想(営業利益45億円)はH1進捗率19.8%と極めて楽観的であり、下方修正は時間の問題。
  • 最重要方針(株主還元):
    • 2023年5月に「年間配当80円を下回らないことを念頭に」配当を行うと公表。(80円フロア)
    • 累進配当やDOEは採用していない。
    • 2023年3月期に減配(91円→80円)した実績がある。

結論:投資判断は「条件付きで投資適格」

アイホンの投資判断は【条件付きで投資適格】と評価します。

利回り4.6%超と「自己資本比率86.7%」の鉄壁の財務は魅力的です。 しかし、この魅力的な表面の下には「2023年の減配実績」という過去と、「北米・国内の深刻な業績悪化」という現在のリスクが隠されています。

現在の会社計画は楽観的すぎ(ホッケースティック型)、業績下方修正リスクが極めて高い状況です。 DOEのような強力な配当コミットメントはなく、「80円フロア」まで減配されるリスクもゼロではありません。

したがって、現在の株価水準での投資は時期尚早です。 「業績下方修正が発表され、株価が下落し、それでも経営陣が130円配当の維持を明言する」 というタイミングを待ってから、資産防衛型の高配当銘柄として投資を検討すべきです。

主な投資用語の解説

PER (株価収益率): 株価が1株当たり純利益の何倍かを示す指標。低いほど割安とされる。

PBR (株価純資産倍率): 株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標。1倍が解散価値とされ、低いほど割安とされる。(アイホンは0.74倍)

ROE (自己資本利益率): 企業が自己資本(株主資本)を使ってどれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標。高いほど収益性が良い。(アイホンは5.5%と低迷)

DOE (純資産配当率): 企業が自己資本(純資産)に対してどれだけの配当を支払ったかを示す指標。利益変動の影響を受けにくい。(※アイホンはDOEを採用していません)

自己資本比率: 総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務の安全性が高い(アイホンは86.7%と極めて高い)。

ネットD/Eレシオ (純有利子負債自己資本比率): 実質有利子負債が自己資本の何倍かを示す指標。低いほど(マイナス含む)財務の安全性が高い。(アイホンは「実質ネットキャッシュ」)

このコンテンツは、情報の提供を目的としており、売買の推奨等を目的としたものではありません。いかなる内容も将来の運用成果を保証するものではなく、最終的な投資決定はご自身の判断・責任でお願い致します。

アイホン(6718)の長期投資適格性について、分析結果をまとめます。

当社の最終的な投資判断は【条件付きで投資適格】です。

【魅力的な点】 最大の魅力は、自己資本比率86.7%という「鉄壁の財務基盤」 と、予想配当利回り4.6%超という「高い配当水準」 です。
実質無借金であり 、倒産リスクは皆無と言えます。  

【重大な懸念点】 一方で、以下の3つの重大なリスクを抱えています。

  1. 過去の減配実績: 安定配当が期待される中、2023年3月期に業績悪化を理由に「減配」を実施した過去があります 。  
  2. 深刻な業績悪化: 最新決算(2026年3月期 第2四半期)では、主力の北米市場の失速 や国内事業の不振により、営業利益が前年同期比57.9%減と壊滅的な状況です 。  
  3. 強い下方修正リスク: 上半期の営業利益進捗率が通期目標のわずか19.8%にも関わらず、会社は通期予想を据え置きました 。これは極めて楽観的な計画であり、期末にかけて業績の下方修正が入る可能性が非常に高いと判断します。  

【投資戦略】 新NISAなどで長期保有を目指す場合、現在の株価水準で焦って購入することは推奨しません。

狙い目は、予想される「業績下方修正」が株価に織り込まれ、株価が下落した局面です。

ただし、その下落局面で投資する最低条件は、「経営陣が、現在の年間配当130円を維持する方針を改めて明言すること」です。

この「答え合わせ」が完了して初めて、アイホンは「鉄壁の財務に守られた資産防衛型の高配当株」として、あなたのポートフォリオに加える価値のある銘柄となるでしょう。

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今回の分析が、あなたの銘柄選び、そして証券会社選びの参考になれば幸いです。

※本記事は特定の銘柄や証券会社の利用を推奨するものではありません。投資の最終決定はご自身の判断でお願いいたします。

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