高配当株投資家にとって、今最も目が離せない銘柄の一つが「積水ハウス(1928)」です。

直近の2025年度第3四半期決算では、売上高が過去最高を更新する一方で、米国市場の調整や巨額買収に伴う格付け低下など、一見すると「不安要素」が目立つ内容となりました。しかし、その裏で発表された「累進配当の導入」と「配当性向40%への引き上げ」は、長期投資家にとってこれ以上ない強力なメッセージです。

「財務の悪化は本当にリスクなのか?」「利回り4.1%超えの今、新NISAで仕込むべきなのか?」 本記事では、世界一の住宅メーカーが描く「攻めの米国戦略」と「守りのインカムゲイン」の両面から、積水ハウスの投資適格性を徹底分析します。

【A-評価】積水ハウス(1928)は買いか?利回り4.1%超・累進配当導入の「世界一の住宅メーカー」を分析

積水ハウス株式会社 (1928)

「累進配当」を宣言したインカム最強銘柄。米国市場を狙う巨龍の挑戦。

市場:東証プライム 業種:建設業(住宅) 時価総額:約2.3兆円 大型クオリティ

【会社概要】どんな会社?

累積建築戸数世界No.1を誇る住宅メーカーの雄。高付加価値な注文住宅から、賃貸住宅「シャーメゾン」、再開発マンション事業まで幅広く展開。 国内市場の成熟を見越し、米国M.D.C.ホールディングスを巨額買収(約7,400億円)し、全米5位のホームビルダーグループへ躍進した。 株主還元への姿勢は極めて強く、2027年3月期から「累進配当(減配しない)」を明文化。高利回りと安定性を兼ね備えた、新NISA時代の定番銘柄。

  • 事業の柱:国内請負・賃貸管理の安定収益と、米国住宅販売の成長期待。
  • ESGの先駆:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及率で圧倒的シェア。
  • 還元方針:配当性向40%以上、かつ累進配当を宣言。インカムゲインの鉄板。

投資ハイライト: 【総合評価 A-】 長期保有推奨・高還元クオリティ

  • 累進配当の安心感: 「減配しない」という宣言は、暴落局面での最強の支え。配当利回り4%超は歴史的な買い場。
  • 米国成長の果実: 人口増の続く米国市場をMDC買収で確保。金利低下局面での利益爆発力が期待される。
  • 一時的な財務悪化: 買収による負債増で格付けが低下(A→BBB+)。ここ数年の有利子負債削減が鍵。
  • 【結論】 財務の「成長痛」はあるが、事業モデルと還元姿勢はSS級。3,400円以下の水準は長期投資の好機。
予想配当利回り (今期予)

4.15%

配当 143円 (分割調整後推計)

PER (今期予) / PBR (実績)

9.7

/

1.17

過去平均比でも割安。リスクを過剰に織り込んだ水準。

ROE (自己資本利益率)

11.7%

国内建設業として高水準の資本効率
自己資本比率 (財務評価:B-)

40.8%

MDC買収で低下。デレバレッジが急務。

最重要指標①:配当トレンドと利回り

積水ハウスは「実質増配」を10年以上継続しています。 特筆すべきは「累進配当」の明文化。これにより、多少の業績悪化でも減配リスクを極限まで排除しました。 現在の利回りは過去平均(約3.2%)を大きく上回る「歴史的チャンスゾーン」です。

※2025年以降は配当方針変更を反映した推計値。

最重要指標②:利益成長と配当性向の推移

過去10年で純利益は約2.4倍に成長。この強い利益成長が配当の源泉です。 今後は配当性向40%以上を目標に掲げており、米国市場の回復とともにさらなる増配(配当の積み上がり)が加速するフェーズにあります。

最重要指標③:業績推移と営業利益率

売上高は一貫して右肩上がりで、直近では4兆円の大台を突破。 利益率はMDC買収によるのれん償却や米国市況の影響で一時的に低下していますが、国内のZEHやストックビジネスが8%超を支える「多層的収益構造」が強みです。

最重要指標④:買い時判断と理論株価

株価はMDC買収発表後の財務警戒感から調整局面。しかし、独自の低ボラティリティ特性(β値 0.30)を持ち、暴落に強いポートフォリオの守護神です。 (※チャートは楽天証券より引用)

リスク特性とテクニカル

  • ボラティリティ(β値) 0.30

    市場全体が荒れても独自の値動き。ディフェンシブ。高度な安定性。

  • 主要下値支持線 3,200円 (利回り4.5%)

    過去の配当利回りとPER 9倍基準の強力なサポート。

買い時判断

妥当株価 (PER 11倍基準)
3,800円前後
打診買い推奨 (利回り4.1%)
3,480円以下
全力買いゾーン (利回り4.3%超)
3,350円以下

「累進配当」による下値の硬さが証明されています。3,400円近辺から時間分散で積み立てるのは、極めて期待値の高い投資戦略です。

財務健全性:MDC買収後の「正念場」 (評価:B-)

米国市場での成長権を「借金」で買った形です。短期的には格下げリスクがありますが、本業のキャッシュ創出力は健在。

指標数値評価
S&P格付けBBB+買収に伴い「A」から格下げ。デレバレッジ注視。
ネットD/Eレシオ上昇傾向有利子負債が増大。利益による返済フェーズへ。
ROE11.7%財務レバレッジの影響もあるが、高水準。

SWOT分析:米国成長の果実と負債リスク

S 強み (Strengths)

  • 累積建築戸数世界一のブランドと技術力
  • 累進配当を宣言した最高クラスの株主還元
  • 賃貸管理による安定したストック収益

W 弱み (Weaknesses)

  • 買収に伴う財務体質の悪化
  • 国内の人口減少による請負事業の頭打ち感
  • 為替(円高)への利益感応度の上昇

O 機会 (Opportunities)

  • 米国住宅市場の構造的な住宅不足
  • FRB利下げ転換による米国販売の回復
  • 環境規制強化に伴うZEH技術の優位性

T 脅威 (Threats)

  • MDC買収後の統合(PMI)失敗
  • 米国の景気後退による在庫評価損
  • 国内金利上昇による住宅ローン需要減

競合他社比較

社名 PER ROE 利回り 特徴
積水ハウス (1928) 9.7 11.7% 4.15% 累進配当。米国成長期待。
大和ハウス (1925) 11.1 ~10.5% 3.37% 多角化。物流施設に強み。
住友林業 (1911) ~10.0 ~15.0% ~3.20% ROE高い。木材市況依存。

結論:投資判断は「A- (長期インカム推奨)」

積水ハウスは今、「財務悪化というリスクを飲んで、米国成長という果実を取りに行った」歴史的転換点にいます。 有利子負債の増加は懸念材料ですが、それを補って余りあるのが「累進配当宣言」という株主へのコミットメントです。 PER 10倍割れ、利回り4.1%超という現在の水準は、短期的な市場の悲観が作り出した「割安なエントリーチャンス」です。 目先の株価変動に一喜一憂せず、10年単位で配当金という果実を受け取り続けたい投資家にとって、ポートフォリオの核となる一社です。

評価カテゴリー別スコア

カテゴリー ランク 評価の根拠
株主還元 SSS 累進配当を明文化。インカム重視の姿勢は日本トップ級。
収益性 A- ROE 11.7%は良好だが、米国在庫評価損の影響あり。
財務健全性 B- 買収資金による格下げ(S&P: BBB+)。負債削減が課題。
成長性 A MDC買収により全米5位へ。脱・国内依存を完遂。

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
※データは2025年12月28日時点の分析に基づいています。

結論として、現在の積水ハウスは「短期的な成長痛を伴うものの、長期的なインカムゲインの安定性は極めて高い」と評価できます。

直近決算で露呈した米国事業の利益圧迫や、S&Pによる格付け低下(A→BBB+)は確かに無視できないリスクです。しかし、経営陣はそれらのリスクを承知の上で、米国での人口増という確かな成長を買いに行きました。そして、その間の株主の不安を打ち消すかのように提示されたのが「累進配当」という最強の防波堤です。

利回り4%を超え、かつ「減配リスクが低い」という今の株価水準は、数年後のデレバレッジ(負債削減)が進んだ未来から振り返れば、絶好のエントリーポイントだったと言える可能性が高いでしょう。米国金利の動向を注視しつつ、新NISAの成長投資枠で「一生モノの資産」としてじっくり育てる価値のある一株です。

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※本記事は特定の銘柄や証券会社の利用を推奨するものではありません。投資の最終決定はご自身の判断でお願いいたします。

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