「地味だけど、中身は筋肉質」。そんな隠れた優良銘柄を探している投資家の皆様、こんにちは。 今回は、証券・銀行システムに強みを持つ独立系SIer、昭和システムエンジニアリング(4752)をピックアップします。

知名度こそ大手SIerに譲りますが、実はこの銘柄、長期投資家が喉から手が出るほど欲しい「鉄壁の財務」と「実質的な累進配当」を兼ね備えた、知る人ぞ知る実力派です。

注目すべきは、直近の2026年3月期第2四半期決算で見せた「稼ぐ力」の変化です。 従来の労働集約的な開発から高単価なDX案件へのシフトが進んでおり、DX関連の受注数は前年比1.35倍へと急増。その結果、営業利益率はSIerとしては高水準の14.5%を叩き出しました。

「PBR 1倍割れ」かつ「PER 10倍台」という割安水準で放置されている今、新NISAの成長投資枠やポートフォリオの守りの要として、同社をどう評価すべきか? 財務データに基づき徹底分析します。

【A評価】昭和システム(4752)は「いぶし銀」の買いか?自己資本比率65%・実質累進配当の「堅実成長株」

昭和システムエンジニアリング (4752)

財務は「鉄壁」。地味ながら着実な成長と還元を続ける「隠れた優良銘柄」

市場:東証スタンダード 業種:情報・通信業(独立系SIer) 時価総額:約78億円 小型バリュー

【会社概要】どんな会社?

金融(銀行・証券・保険)分野に強みを持つ独立系システムインテグレーター(SIer)。売上高の約7割を金融業界が占め、特に証券システム分野では50年以上の実績を持つ「金融特化型」のプロフェッショナル集団。 BIPROGY(旧日本ユニシス)やSMBC日興証券グループとの強固な取引基盤を持ち、近年はDX案件の取り込みで利益率が劇的に改善している。

  • 事業モデル:金融機関向けシステム開発・保守が主力。深いドメイン知識(業務知識)が参入障壁となり、顧客維持率が高い。
  • 財務基盤:自己資本比率 65.0%。ネットD/Eレシオはマイナス(実質無借金)で、不況耐性は極めて高い「SSSランク」。
  • 還元姿勢:実質的な「累進配当」状態。過去10年で減配は1度のみ、直近5期以上は減配なしで配当額は3倍に成長。

投資ハイライト: 【総合評価 A】 Buy (長期投資推奨)

  • 実質累進配当: 公約ではないものの、直近5年でEPSは2倍超、配当は29円→55円へと安定成長。減配リスクが低い。
  • 割安放置: PER 10.4倍、PBR 1.24倍。ROE 13.9%の高収益企業としては市場評価が低すぎる水準。
  • 鉄壁の守り: 現預金潤沢なキャッシュリッチ企業。金利上昇の影響を受けず、むしろ安定性を高める要因に。
  • 【結論】 派手さはないが、ポートフォリオの守りを固める「いぶし銀」の銘柄。長期インカム狙いに最適。
予想配当利回り

3.39%

配当 55.0円 (前期比+5円・据置予想)

PER (25/3期予) / PBR (実績)

10.4

/

1.24

ROE 13.9%に対して非常に割安

営業利益率 (実績推移)

11.4%

6%台から倍増。高付加価値化に成功
自己資本比率 (財務評価:SSS)

65.0%

実質無借金。倒産リスクは皆無に近い

最重要指標①:配当トレンド(実質累進配当)

配当金の推移と利回り水準

過去10年間で減配はわずか1回。特に2021年以降は、業績拡大に合わせて29円→32円→40円→50円→55円と綺麗な右肩上がりを描いています。 派手な宣言こそありませんが、実績ベースでは完全に「累進配当」銘柄として機能しており、インカムゲイン投資の信頼性は極めて高いと言えます。

※2025年3月期は予想数値(55円)です。利回りは各年度末株価(25年は直近株価)より算出。

最重要指標②:EPS成長と配当性向

EPS(1株利益:棒グラフ)は2016年の45.3円から直近165.1円へと約3.6倍に成長。これが増配の源泉です。 配当性向(折れ線)は30%台前半で安定推移しており、無理な配当の出し方はしていません。会社目標(30-40%)の範囲内であり、今後の増配余地も十分に残されています。

最重要指標③:高収益体質への変貌

特筆すべきは営業利益率(折れ線)の劇的な改善です。かつては6%台の平凡なSIerでしたが、現在は11%を超える高収益企業へと変貌しました。 売上高(棒グラフ)も着実に積み上がっており、DX案件や上流工程へのシフトが数字に表れています。

最重要指標④:買い時判断と理論株価

株価は上昇トレンドにありますが、バリュエーション(PER/PBR)は依然として割安圏に放置されています。
(※チャートは楽天証券等を参照)

昭和システムエンジニアリング (4752) 10年月足チャート

株価パフォーマンスとリスク特性

  • ボラティリティ(β値) 0.25 (極低)

    市場全体との連動性が極めて低い。暴落時の避難先として機能。

  • 直近1年騰落率 +26.4% (堅調)

    安定した上昇トレンドを継続中。

  • PER 15倍水準株価 約2,470円

    現在の株価(約1,630円)から約50%の上値余地あり。

理論株価と買い時判断

適正評価ゾーン (PER 12-13倍) 標準的な評価への回帰
2,000円 前後
買い推奨 (利回り3.5%超)
1,570円以下
Strong Buy (利回り3.8%超)
1,450円以下

現在値(1,630円近辺)はPER10倍台前半と割安です。打診買いをしつつ、市場調整局面で利回り3.5%を超える水準(1,570円割れ)があれば積極的に拾う戦略が有効です。

財務健全性:異次元の「SSSランク」

有利子負債はわずか1,000万円程度に対し、手元流動性は数十億円規模。実質無借金経営です。

指標数値 (25/3期 2Q時点等)評価
自己資本比率65.0%業界平均(50-60%)を上回る超健全水準。
ネットD/Eレシオ-108.0%完全な実質無借金。キャッシュリッチ。
流動比率534.1%短期支払い能力は過剰なほど高い。

SWOT分析:強みとリスク

S 強み (Strengths)

  • 金融分野(特に証券)の深いドメイン知識
  • 大手(BIPROGY、SMBC日興)との強固な関係
  • 無借金・キャッシュリッチな鉄壁財務
  • ROE 13.9%の高い資本効率

W 弱み (Weaknesses)

  • 特定の大手顧客への依存度が高い
  • 株式流動性が低い(出来高が少ない)
  • エンジニア採用難による成長制約

O 機会 (Opportunities)

  • 新NISAによる証券システム改修需要
  • 金融機関のDX・レガシー刷新需要
  • PBR1倍超え定着に向けた認知向上

T 脅威 (Threats)

  • エンジニアの人件費高騰
  • 金融業界の再編によるシステム投資抑制
  • AIによるコーディング自動化の影響

競合他社比較 (バリュエーション)

社名 PER(倍) PBR(倍) ROE 特徴
昭和システム (4752) 10.4 1.24 13.9% 金融特化。ROE高く最も割安。
クエスト (2332) 9.9 1.14 10.9% インフラ構築に強み。指標は類似。
キューブシステム (2335) 13.5 1.49 12.0% 流通・通信も強い。評価はやや高い。

分析:競合と比較しても、ROE(資本効率)に対するPER評価が最も割安な水準にあります。収益力に見合った評価まで修正される余地(アップサイド)が大きいです。

結論:投資判断は「A (Buy)」

昭和システムエンジニアリングは、派手な急成長こそ見込みにくいものの、「高収益・好財務・高還元」の三拍子が揃った、長期保有にふさわしい優良銘柄です。 特に自己資本比率65%超の鉄壁財務と、不況に強い金融インフラへの食い込みは、ポートフォリオの守りを固める上で大きな安心材料となります。 市場の評価(PER 10倍台)は依然として実力を過小評価しており、配当を受け取りながら見直し買いを待つ戦略が極めて有効です。

評価カテゴリー別スコア

カテゴリー ランク 評価の根拠
財務健全性 SSS 自己資本比率65%、ネットD/Eレシオ -108%。IT企業として理想的なキャッシュリッチ体質。
成長性 A EPSはこの5年で2倍以上に成長。DX需要を取り込み、利益率も倍増トレンドにある。
株主還元 SS 公約はないが「実質累進配当」。減配リスクが極めて低く、総還元性向40%超も意識されている。
割安性 SS ROE 14%近い高収益企業がPER 10倍台、PBR 1.2倍台はバーゲン価格。
競争優位性 A 金融特化のドメイン知識と大手顧客とのリレーションが強固な参入障壁(エコノミック・モート)となっている。

このコンテンツは、情報の提供を目的としており、売買の推奨等を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
※データは提供された分析レポート(2025年12月21日時点)に基づいています。

今回の分析を総括します。 昭和システムエンジニアリングは、派手な急騰を期待する銘柄ではありませんが、長期で資産を形成したい投資家にとっては「Aランク(買い)」の適格銘柄であると判断しました。

その根拠は以下の3点です。

  1. 倒産リスクが皆無に近い財務基盤 自己資本比率65.0%、実質無借金という「金庫」のような財務体質は、金利上昇や不況局面において最強の防波堤となります。
  2. 実質累進配当と還元余力 公約こそありませんが、過去10年で減配はわずか1回。直近5年はEPS(1株利益)の倍増に合わせて配当も30円台から55円へと成長しており、総還元性向も40%超を意識した株主重視の姿勢が鮮明です。
  3. 修正余地のある割安感 ROE 13.9%という高効率経営を実現しながら、PER 10.4倍、PBR 1.2倍台という評価は明らかに割安です。

流動性の低さや特定顧客への依存といったリスクはありますが、それを補って余りある安心感とインカムゲインがここにはあります。 株価が調整した局面は、まさに「いぶし銀」のオーナーになる絶好の機会と言えるでしょう。

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