2025年9月1日 日本株市場レポート
高配当株投資家のための市場深掘り解説
市場概況
週明け1日の東京株式市場は、前週末の米国市場で半導体株が下落した流れを引き継ぎ、大幅続落でスタートしました。中国アリババが新たなAI半導体を開発したとの報道が嫌気され、アドバンテストやソフトバンクグループなど指数寄与度の高い銘柄が大きく売られ、日経平均は一時900円超安となる場面も見られました。しかし、売り一巡後は下げ渋る展開に。下落要因が半導体セクターに集中していたため、内需関連や高配当利回りのバリュー株には押し目買いが入り、相場全体を支えました。結果として、値下がり銘柄数を値上がり銘柄数がわずかに上回るなど、指数の下げ幅ほど地合いは悪くない一日となりました。
日経平均株価
42,188.79円
-529.68円 (-1.24%)
TOPIX
3,063.19
-11.99 (-0.39%)
プライム市場騰落数
東証プライム 騰落レシオ(25日)
128.08 %
過熱圏
☆ 120%以上……過熱に警戒
100% ……中立
★ 70%以下 ……底値ゾーン
日経平均株価 寄与度ランキング
アドバンテストとソフトバンクGの2銘柄で、日経平均を約407円押し下げる大きなインパクトがありました。
セクター動向
東証33業種別 騰落率 (上位・下位5業種)
半導体関連を含む「電気機器」や米長期金利の動向に敏感な「非鉄金属」などが下落する一方、ディフェンシブな「医薬品」や「電気・ガス」が上昇し、物色の方向性が明確に分かれました。
電気・ガス業 (+1.33%): 景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄として資金が流入。安定した配当利回りも魅力とされました。
医薬品 (+1.29%): 同様にディフェンシブセクターとして物色されました。エーザイやオリンパスなど個別材料のあった銘柄が指数を牽引しました。
陸運業 (+1.26%): 経済正常化の恩恵を受けるセクターとして根強い人気があります。インバウンド需要の回復期待も追い風となりました。
本日取り上げた注目高配当銘柄サマリー
銘柄名をクリックすると、Google Financeの株価情報ページに移動します。
(注:データは2025年9月1日時点、または直近の決算発表時点のものを基に作成。銀行業の自己資本比率は事業特性上、他業種と基準が異なる。)
各種ランキング
コード | 銘柄名 | 現在値 | 前日比(%) |
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まとめ
本日の市場分析、いかがでしたでしょうか。
「日経平均が大幅下落」という大きなニュースの裏側で、実は資金が「質の高い銘柄」へと静かに移動していた、という流れが見えたかと思います。
だからこそ、投資を始めたばかりの今、一番避けたいのが、こうした市場の揺れに慌てて大切な資産を手放してしまうことです。
今日の動きは、むしろ私たち高配当株投資家にとって**「市場が動揺した時こそ、財務が健全で株主思いの優良企業に目を向けるチャンスだ」**という王道の戦略を再確認させてくれる、絶好の機会でした。
今後の市場の動きを注視しつつも、まずはご自身の持っている銘柄をもう一度見つめ直し、なぜその会社に投資したのかを再確認してみてください。それが、目先の数字に一喜一憂しない、賢明な投資家への最も確かな一歩となるはずです。
この記事が、皆様の市場理解の一助となれば幸いです。ただし、本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、情報提供のみを目的としています。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任においてお願いいたします。