こんにちは!高配当株でコツコツ資産形成を目指す皆さんの仲間、高配当ブログの筆者です。
7月の最終週(7月29日~8月1日)の株式市場は、まるでジェットコースターのような一週間でしたね。日経平均株価だけを見ていると、上がったり下がったりで「結局、どっちなの?」と感じた方も多いのではないでしょうか。
実は、指数が方向感に欠ける時こそ、「本当に強い株」と「そうでない株」の差がハッキリと表れるんです。
この記事を読めば、
- なぜ今週の相場がこれほど荒れたのか(日米の金融政策という名の綱引き)
- そんな中でも、どんな高配当株が注目を集め、株価を上げたのか
- 今後の高配当株投資で、私たちが心に留めておくべき「教訓」
が、スッキリと分かります。表面的なニュースの裏側で何が起きていたのか、一緒に見ていきましょう!
今週の相場を動かした2つの「大きな力」
今週の日本株市場を理解するキーワードは**「日米の金融政策のズレ」と、それによって引き起こされた「円安」**です。ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、家計に例えると分かりやすいですよ。
主要指数の動き(7月25日終値 → 8月1日終値)
主要指数の動き
指数名 | 動き |
---|---|
日経平均株価 | 41,192円 → 41,438円 (+0.6%) |
TOPIX | 2,878 → 2,900 (+0.8%) |
ドル/円 | 148.5円 → 149.8円 (円安) |
- アメリカ(FRB)の事情 🇺🇸
- 決定: 「まだ利下げはしないよ、慎重にいくよ」という姿勢を崩しませんでした(これをタカ派と言ったりします)。
- 影響: アメリカの金利は高いまま維持されそう → ドルを買う動きが強まる(ドル高)。
- 日本(日銀)の事情 🇯🇵
- 決定: 「物価が思ったより上がってるから、将来は利上げも考えなきゃね」という雰囲気を匂わせました。
- 影響: 市場は「お、日本も利上げが近いかも?」と警戒。
このアメリカと日本のスタンスの違いから、「ドルの価値は上がり、円の価値は下がる」という流れが加速。為替は一時1ドル=150円に迫るほどの円安になりました。
この円安が、日本株の明暗を分ける最大の要因となったのです。
市場の体温計:上がった株と下がった株の数
週間の東証プライム市場を見ると、値上がりした銘柄の数と値下がりした銘柄の数が同じくらいの日が多くありました。これは、市場全体が同じ方向に動くのではなく、「良いニュース(材料)があった会社にだけお金が集まる」という、銘柄選びの腕前が試される相場(専門用語で「選別物色」と言います)だったことを示しています。
明暗くっきり!業種別パフォーマンス
円安という追い風と、個別のニュースによって、業種ごとの成績もハッキリと分かれました。
絶好調だったセクター 🚀
- 非鉄金属・電線(フジクラなど)
- なぜ上がった?:今話題の**AI(人工知能)**に欠かせないデータセンター建設ラッシュが最大の理由です。データセンターで使われる光ファイバーなどの需要が爆発的に増える!という期待から、テーマ株として資金が集中しました。
- 電気機器(富士電機など)
- なぜ上がった?:好調な決算発表が相次いだことが大きいですね。さらに、円安で海外での儲けが円換算で増えるという「おまけ」もついてきて、株価を押し上げました。
ちょっと元気のなかったセクター 😥
- 海運業
- なぜ下がった?:世界的な景気減速への懸念が直撃しました。コンテナ船の運賃が下がるなど、世界のモノの動きが鈍っているというニュースが嫌気され、売られてしまいました。
ここから高配当株投資家が学ぶべき教訓は、**「配当利回りを支える利益の源泉は何か?」**を見極めることの重要性です。海運株のような景気の波に業績が左右されやすい株も魅力的ですが、AI関連のような長期的な成長ストーリーに乗っている株は、将来の「増配」という楽しみも期待できますね。
【ディープダイブ】今週、値動きが激しかった注目株たち
さて、ここからは個別の銘柄に焦点を当てて、なぜ株価が動いたのかを詳しく見ていきましょう。「増配」や「決算内容」がいかに株価を左右するかが、よく分かりますよ。
大型株(時価総額1兆円以上)
- フジクラ (5803)
- どんな会社?:光ファイバーや電線の大手メーカーです。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+16.18%$。週中に心理的節目である1万円の大台を突破し、上場来高値を更新する非常に力強い展開となりました。
- なぜ動いた?:まさにAIブームのど真ん中!データセンター需要の拡大期待から、投資家からの買いが殺到しました。
- 注目ポイント:8月7日に予定されている決算発表で、市場の熱狂的な期待に応えられるかが焦点です。
- 富士電機 (6504)
- どんな会社?:発電設備や半導体など、エネルギー関連に強い電機メーカーです。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+17.68%$。決算発表翌日に株価が急騰し、週を通じて強い動きが続きました。
- なぜ動いた?:第1四半期の決算が市場予想を上回り、通期の業績予想も上方修正!この力強い内容が評価されました。
- 注目ポイント:業績好調を受けて、今後の「増配」への期待も高まっています。
- 日本たばこ産業 (JT) (2914)
- どんな会社?:言わずと知れた、たばこ事業の巨人。食品や医薬品も手掛けています。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+7.00%$。週を通じて安定的に上昇しました。
- なぜ動いた?:決算発表と同時に、年間配当を194円→208円に引き上げる**「増配」**を発表!これが最大の好材料となり、高配当株としての魅力がさらに増しました。
- 注目ポイント:不安定な相場環境で、こうした安定した高配当・増配株は、資金の避難先として改めて見直されています。
- 東京エレクトロン (8035)
- どんな会社?:世界トップクラスの半導体製造装置メーカーです。
- 値動きの内容: 週間騰落率$-16.89%$。週前半に大きく下落し、その後も軟調な展開が続きました。
- なぜ動いた?:半導体セクター全体への利益確定売りの流れに押され、週前半に大きく下落。好決算を発表したものの、地合いの悪化に勝てませんでした。
- 注目ポイント:短期的には調整していますが、半導体市場の中長期的な成長性に対する見方は健在です。
- シマノ (7309)
- どんな会社?:高級自転車部品と釣具で世界的なシェアを誇ります。
- 値動きの内容: 週間騰落率$-1.18%$。週を通じて上値の重い展開でした。
- なぜ動いた?:欧米の景気減速への懸念が重しとなりました。同社の製品は海外の個人消費に左右されるため、FRBのタカ派姿勢が逆風となりました。
- 注目ポイント:91%超という極めて健全な自己資本比率が下支え要因ですが、景気動向に敏感なため、今の市場環境では注意が必要です。
中型株(時価総額1,000億円〜1兆円)
- システナ (2317)
- どんな会社?:ソフトウェア開発支援の会社で、特に自動運転技術に力を入れています。スマホ向けや企業のDX支援も手掛けています。
- 値動きの内容: 8月1日の1日で株価が18%以上も上昇し、年初来の高値を更新しました。
- なぜ動いた?:7月31日に発表された第1四半期決算が33%もの営業増益と非常に好調だったことに加え、2026年3月期の通期業績予想も上方修正したことが大きな好材料となりました。
- 注目ポイント:生成AIの活用やDX支援など、付加価値の高い成長事業へ経営資源を集中させた戦略がうまくハマり、契約単価が上昇している点が評価されています。
- エクセディ (7278)
- どんな会社?:自動車のクラッチなど駆動系部品の専門メーカーです。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+10.99%$。増配発表を機に株価が急伸しました。
- なぜ動いた?:年間配当をなんと50円も増額し、300円にすると発表!これにより、配当利回りは**6.25%**という驚異的な水準に。利回りを求める投資家の買いが殺到しました。
- 注目ポイント:これで3期連続の増配。株主還元への強い意志が感じられますね。
- イーグル工業 (6486)
- どんな会社?:自動車や産業機械に使われる精密なシールのトップメーカーです。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+25.24%$。こちらも増配を材料に週を通じて大幅高となりました。
- なぜ動いた?:4期連続となる**「増配」**を発表したことが好感されました。一部事業の業績回復が遅れているというニュースもあったのですが、市場は増配というポジティブな材料をより高く評価しました。
- 注目ポイント:現在の市場がいかに「株主還元」を重視しているかが分かる典型的な例です。
- 日本精鉱 (5729)
- どんな会社?:アンチモン製品で世界トップシェアを誇る非鉄金属メーカーです。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+22.37%$。特に週末8月1日(金)にはストップ高となるなど、爆発的な上昇を見せました。
- なぜ動いた?:第1四半期の決算が市場予想を大幅に上回り、通期業績も上方修正!これがサプライズとなり、週末に株価がストップ高となりました。
- 注目ポイント:急騰後の動きに注目。好業績に伴う更なる増配への期待も高まります。
- さくらインターネット (3778)
- どんな会社?:データセンターやクラウドサービスを提供しています。
- 値動きの内容: 週間騰落率$-18.52%$。好決算発表にもかかわらず、株価は急落し、非常にボラティリティの高い一週間となりました。
- なぜ動いた?:典型的な「Sell the News(ニュースで売る)」の動き。AI関連の期待で事前に株価が大きく上昇していたため、好決算の発表が利益確定のきっかけとなり、急落しました。
- 注目ポイント:業績は良いものの、需給(売りたい人と買いたい人のバランス)と投資家心理が悪化しており、正念場を迎えています。
小型株・特殊銘柄(時価総額1,000億円未満)
- ユーラシア旅行社 (9376)
- どんな会社?:秘境やこだわりのテーマ旅行などを手掛ける旅行会社です。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+19.46%$(8月1日のみで)。週末にかけて株価が爆発しました。
- なぜ動いた?:「株主資本の10%を目安に配当します」という、DOE10%目標という画期的な株主還元方針を発表!これにより配当予想が大幅に引き上げられ、株価が急騰しました。
- 注目ポイント:DOE目標は、将来の配当に対する「会社からの強い約束」。投資家にとって非常に安心感のある材料です。
- アイ・ピー・エス (4390)
- どんな会社?:フィリピンを拠点に通信事業や人材紹介などを展開しています。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+21.44%$。週を通じて堅調に推移しました。
- なぜ動いた?:新たな国際海底ケーブルへの設備投資という、将来の大きな成長につながるニュースが発表され、投資家の期待を集めました。
- 注目ポイント:事業拡大が今後の増配につながるかどうかが期待されます。
- 大阪製鐵 (5449)
- どんな会社?:日本製鉄グループの電炉メーカーで、鉄筋や形鋼が主力です。
- 値動きの内容: 週間騰落率$-14.13%$。週半ばに株価が急落しました。
- なぜ動いた?:決算内容が市場の期待に応えられなかったと見られ、株価が急落。景気動向に敏感なセクターであることも重しとなりました。
- 注目ポイント:株価は厳しい状況ですが、76%超という非常に高い自己資本比率が今後の下支えとなるかに注目です。
- サンコール (5985) – 特殊事例
- どんな会社?:自動車向けの精密ばねなどを製造しています。
- 値動きの内容: 週間騰落率$+25.97%$。長期的な下落トレンドから、週後半に急反発しました。
- なぜ動いた?:前期は赤字で無配(配当なし)でしたが、来期は1株あたり5円の**「復配(配当の復活)」**を計画していると発表。たとえ少額でも、配당が復活するというニュースは「最悪期は脱した」という強力なサインとなり、株価が急反発しました。
- 注目ポイント:「配当停止」がいかに株価にマイナスか、そして「配当再開」がいかにポジティブなサプライズになるかがよく分かるケースです。
本日の注目銘柄データ一覧
国内注目株ポートフォリオ(詳細分析)
区分 | 企業名 | 証券コード | ROE(実) | 自己資本比率 | 配当利回り(予) | 株主還元方針 注目点 |
---|---|---|---|---|---|---|
大型株 | フジクラ | 5803 | 24.3% | 40.1% | 1.25% | 配当性向30%目安 |
大型株 | 富士電機 | 6504 | 11.0% | 54.6% | 2.13% | 安定配当、カレンダー優待 |
大型株 | 日本たばこ産業(JT) | 2914 | 16.5% | 53.6% | 4.54% | DOE 9%台、増配 |
大型株 | 東京エレクトロン | 8035 | 21.8% | 69.9% | 2.66% | 配当性向50%目安 |
大型株 | シマノ | 7309 | 8.7% | 91.4% | 2.05% | DOE 3.28%、財務健全 |
中型株 | システナ | 2317 | 24.0% | 67.1% | 2.52% | 好業績、増配傾向 |
中型株 | エクセディ | 7278 | 6.4% | 47.9% | 6.26% | DOE 5.25%、大幅増配 |
中型株 | イーグル工業 | 6486 | 4.2% | 48.0% | 4.42% | DOE 3.93%、4期連続増配 |
中型株 | 日本精鉱 | 5729 | 22.7% | 66.8% | 3.23% | DOE 4.52%、好決算 |
中型株 | さくらインターネット | 3778 | 15.0% | 36.9% | 0.17% | Sell the News、QUOカード優待 |
小型株 | ユーラシア旅行社 | 9376 | 7.0% | 63.7% | 5.05% | DOE 10%目標(新方針) |
小型株 | アイ・ピー・エス | 4390 | 19.0% | 36.3% | 1.44% | DOE 3.88%、成長期待 |
小型株 | 大阪製鐵 | 5449 | 0.0% | 76.7% | 0.00% | 決算失望売り、財務健全 |
特殊 | サンコール | 5985 | -2.8% | 43.1% | 1.30% | 「復配」計画 |
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個別銘柄データ (ROE、自己資本比率は直近の決算短信等のデータに基づきます)
- ROE (自己資本利益率): 会社の資本を使ってどれだけ上手に利益を出したかを示す指標。一般に10%以上で優良とされます。
- 自己資本比率: 会社の総資産のうち、返済不要の自分のお金がどれくらいあるかを示す指標。高いほど財務が健全です(40%以上が目安)。
- DOE (株主資本配当率): 株主から集めたお金に対してどれだけ配当を出すかという指標。「DOE 5%」は「株主資本の5%を配当に回します」という約束で、安定配当の目安になります。
まとめ:今日の教訓とこれからの戦略
今週の荒れ相場から、私たち高配当株投資家が学ぶべき教訓は2つです。
- 「増配」や「DOE目標」は超強力な買いサイン! 企業の「株主にしっかり利益を還元しますよ」という強い意志表示は、業績と同じくらい、あるいはそれ以上に株価を動かす力を持っています。企業のIR情報(投資家向け情報)で、配当方針をチェックするクセをつけたいですね。
- 市場全体より「個別の物語」が重要になる これからの相場は、日経平均が上がった下がったという全体の話だけでなく、一社一社の「なぜこの会社が選ばれるのか?」という**個別の物語(材料)**を見極める力がますます重要になります。
来週以降も、すぐには落ち着かない相場が続くかもしれません。こんな時こそ焦らず、ご自身のポートフォリオに入っている銘柄が、「なぜ自分はこの会社に投資しているのか?」を改めて見つめ直す良い機会です。
その会社は、力強い株主還元を約束してくれていますか?景気の波に左右されにくい、長期的な成長ストーリーを持っていますか?
じっくりと自分の投資スタイルと向き合いながら、この変化の大きい市場を乗りこなしていきましょう!
この記事が、皆様の市場理解の一助となれば幸いです。ただし、本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、情報提供のみを目的としています。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任においてお願いいたします。
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