「日経平均が4日ぶりに反発!」
こんなニュースだけを見て、「よかった、日本株は安心だ」なんて思っていませんか?
実は、2025年7月15日の株式市場は、表面的な指数の動きだけでは見えてこない、とても複雑な一面を隠し持っていました。指数は上がっているのに、多くの銘柄は値下がりしていた…そんな「まだら模様」の相場だったのです。
高配当株への投資で着実に資産を増やしていくためには、こうした市場の「本当の顔」を理解することが欠かせません。
この記事では、なぜこんな不思議な状況が生まれたのかを初心者の方にも分かりやすく解き明かし、高配当株投資家として今チェックしておきたい銘柄や今後の戦略について、一緒に深掘りしていきたいと思います!
本日の株式市場:なぜ「指数は高いのに、私の持ち株は…」が起きたのか?
まずは、7月15日の市場がどんな一日だったのか、全体像をチェックしていきましょう。
一見すると「良い日」に見えるけど…
この日の日経平均株価は、前日より218.40円高い39,678.02円で取引を終え、4日ぶりに上昇しました。幅広い銘柄の動きを示すTOPIX(※1)もプラスとなり、市場のムード(センチメントと呼ばれます)は改善したように見えました。
その背景には、
- 前日の米国株が好調だったこと
- 為替が1ドル=147円台後半の円安で、輸出企業に有利だったこと
といった追い風がありました。
しかし、ここで注意が必要です。東証プライム市場全体を見ると、値上がりした会社が625社だったのに対し、値下がりした会社は930社と、実は値下がり銘柄のほうがずっと多かったのです。
(※1)TOPIX(東証株価指数)とは? 東証プライム市場に上場する全ての日本株を対象にした指数。日経平均株価よりも、市場全体の実際の動きを反映しやすいと言われています。
犯人は「国内金利の上昇」
「指数は上がっているのに、全体的には値下がり」という二極化相場。この状況を生み出した最大の要因が、国内の長期金利(※2)が急上昇したことです。
この日、日本の長期金利は一時**1.595%**まで上昇し、これは約17年ぶりの高い水準でした。
(※2)長期金利とは? 新しく発行される期間10年の国債の利回りのこと。住宅ローンや企業の借入金利の目安になる、経済の体温計のような存在です。
金利が上がると、株式市場では業種によってクッキリと明暗が分かれます。
- 勝ち組(追い風):銀行や保険会社などの金融セクター
- 理由:金利が上がると、銀行は貸出金利との差(利ざや)で儲けやすくなり、保険会社は資産運用の利回りが改善するため。
- 負け組(逆風):不動産会社や、IT系の成長企業(グロース株)など
- 理由:お金を借りて事業を行うため、金利が上がると借金の返済負担が増えて利益が圧迫されるため。
つまり、この日は一部の金融系の大型株がグイッと日経平均を押し上げた一方で、その他の多くの銘柄は金利上昇という逆風に苦しんでいた、というのが真相だったのです。
厳選!今こそチェックしたい高配当株【2025年7月15日版】
こんな「まだら模様」の相場では、指数全体に投資するよりも、個別の企業の強みに注目する「銘柄選び(ストックピッキング)」が大切になります。
ここでは、厳しい市場環境の中でもキラリと光る動きを見せた高配当株を、企業の簡単な紹介と共にお届けします。(※スクリーニング条件:時価総額100億円以上、配当利回り3%以上、自己資本比率40%以上)
大型株編:安定感と個別材料が魅力
- 川崎汽船 (9107)
- どんな会社?:日本の大手海運会社の一つ。世界中にコンテナ船や自動車船などを運航しています。
- ここがポイント!:不安定な相場の中で、底堅い動きを見せました。短期的な買いサインである「ゴールデンクロス(※3)」が出現したことに加え、環境や社会に配慮した企業に投資する「ESG投資」の代表的な指数に継続して選ばれたことが、長期的な買い安心感につながっています。テクニカルな追い風と、長期的な需要という二重の魅力がある銘柄です。
- 日本製鉄 (5401)
- どんな会社?:言わずと知れた日本最大の鉄鋼メーカー。自動車から建築まで、あらゆる産業を支えています。
- ここがポイント!:この日は小幅な下げとなりましたが、アナリストからは「まだ株価が上がる余地がある」と強気な評価を受けています。単なる鉄鋼会社としてだけでなく、IT技術を駆使して製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるなど、新しい成長への期待も高まっています。「変革ストーリー」が、今後の株価を支える可能性があります。
- 積水ハウス (1928)
- どんな会社?:日本を代表する住宅メーカー。戸建住宅からマンション、街づくりまで幅広く手掛けています。
- ここがポイント!:金利上昇という不動産業界への強烈な逆風の中、なんとプラスで引けました。その最大の理由は「自社株買い(※4)」の発表です。会社自身が大きな買い手となるため、株価の強力な下支えになります。セクター全体が厳しい状況でも、それを跳ね返すほどの企業固有の強力な材料を持つ良い例と言えるでしょう。
(※3)ゴールデンクロスとは? チャート分析の一つで、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けること。一般的に、上昇トレンドへの転換を示す「買いサイン」とされています。
(※4)自社株買いとは? 会社が市場から自社の株を買い戻すこと。発行済み株式数が減るため、1株あたりの価値が上がりやすくなります。株主への還元策の一つです。
中型株編:高い利回りと追い風に注目
- 神戸製鋼所 (5406)
- どんな会社?:鉄鋼、機械、電力など幅広い事業を持つ複合経営企業。独自の技術力に定評があります。
- ここがポイント!:この日は軟調でしたが、4.87%という高い配当利回りが魅力的です。株価が利益に対して割安かどうかを示すPERという指標も低水準で、割安感があります。高い利回りは、相場が不安定な時の「安全弁」として機能し、株価の下支え要因となります。
- マツダ (7261)
- どんな会社?:「魂動デザイン」で知られる自動車メーカー。特に欧米で高い評価を得ています。
- ここがポイント!:この日は下落しましたが、6.13%という非常に高い配当利回りは健在。さらに、円安が進行すればするほど会社の利益が増え、その高い配当を維持・増加させる力も強まります。「現在の高い利回り」と「その利回りを支える円安という追い風」の二重の魅力を持つ、注目の銘柄です。
番外編:特殊要因で注目
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス (8725)
- どんな会社?:「三井住友海上」や「あいおいニッセイ同和損保」などを傘下に持つ大手損害保険グループです。
- ここがポイント!:保険会社は財務構造が特殊なため番外としますが、見逃せない銘柄です。金利上昇の恩恵を最も受けるセクターであり、強力な追い風が吹いています。さらに、チャート分析上でも強い買いサインが複数点灯しており、「マクロ環境・セクター・テクニカル」の三拍子が揃った、非常に注目度の高い状況です。
注目高配当株 データ一覧
本日取り上げた銘柄のデータを一覧にまとめました。ご自身の投資判断の参考にしてみてください。
高配当株ポートフォリオ
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(注)MS&ADの自己資本比率は保険業の特性上低くなりますが、健全性に問題があるわけではありません。
まとめ:今後の市場と高配当株投資のヒント
7月15日の市場は、国内金利という大きなテーマに左右された、まさに選別色が強い一日でした。今後の市場は、今夜発表される**米国の消費者物価指数(CPI)**の結果に大きく影響される可能性があります。
このような環境で、私たち高配当株投資家が心に留めておきたい戦略は、以下の3つです。
- 明確な追い風に乗る:金利上昇の恩恵を受ける金融セクターのように、マクロ環境が味方する業種に注目する。
- 企業の「個の力」を見極める:積水ハウスのように、セクター全体の逆風を跳ね返すほどの個別材料を持つ企業を探す。
- 「為替」と「利回り」の二重の魅力を狙う:マツダのように、円安が追い風となる高利回りな輸出企業に注目する。
大切なのは、指数の表面的な動きに一喜一憂せず、その裏側で何が起きているのかを冷静に分析することです。それが、まだら模様の市場を乗りこなし、着実に資産を育てるための羅針盤となるはずです。
いかがでしたか?今回の分析が、あなたの高配当株ポートフォリオを考える上でのヒントになれば嬉しいです。
他にも「この銘柄について知りたい」「こんなテーマを分析してほしい」といったリクエストがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね。この記事が役に立った!と思っていただけたら、SNSでのシェアやブログのブックマークも、どうぞよろしくお願いします!
この記事が、皆様の市場理解の一助となれば幸いです。ただし、本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、情報提供のみを目的としています。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任においてお願いいたします。
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