半導体株が日経平均を牽引!
4ヶ月ぶり3万9千円台回復の背景と二極化する市場の行方。
2025年6月26日の東京株式市場では、日経平均が前日比642.51円高(+1.65%)の39,584.58円で終値を迎え、約4ヶ月ぶりに心理的節目の3万9千円台を回復しました。
この急騰は特定の好材料が重なった結果であり、市場全体の活況というよりは限られたテーマ株の買いが主導した動きでした。以下では主な要因を整理し、市場の動向を詳しく見ていきます。
市場上昇の原動力:なぜ日経平均は急騰したのか?
- 米国ハイテク株高(「エヌビディア効果」)
前日の米国市場でAI向け半導体大手エヌビディア(Nvidia)の株価が4%以上急騰し史上最高値を更新しましたreuters.com。この「エヌビディア効果」が東京市場にも波及し、半導体関連株への買い意欲を刺激。AI関連銘柄として位置付けられるソフトバンクG(+5.5%)や半導体製造装置のアドバンテスト(+5.0%)などが大幅高となりましたeconomictimes.indiatimes.com。 - 地政学リスク後退・リスク選好の高まり
イスラエル・イラン間で停戦合意が報じられ、中東情勢の緊迫が和らぎましたeconomictimes.indiatimes.com。この停戦ニュースにより原油供給不安が後退し、世界的にリスク資産が買い戻されています。日本市場でも投資家のリスク回避姿勢が緩和され、従来売りとされていた成長株・ハイテク株への資金シフトが顕著になっていますeconomictimes.indiatimes.comeconomictimes.indiatimes.com。 - テクニカル要因と好調な需給
日経平均は3万9千円の重要抵抗線を明確に上抜けし、目先的に強気ムードを醸成しましたeconomictimes.indiatimes.com。これを受けてモメンタム投資家が買いを重ね、ショートカバー(空売りの買い戻し)も加速。さらに、7月上旬のETF分配金支払いに備えた資金再流入期待も株価を支えました。特筆すべきはこの日、円高(1ドル=約144円台)にもかかわらず株高が続いた点で、マクロ要因よりも「AI・半導体」テーマが市場心理を支配している実態が浮き彫りになりましたkabutan.jpeconomictimes.indiatimes.com。
セクター動向:鮮明になった「半導体の一人勝ち」
この日の日経平均上昇は、セクター別にも明確に表れました。
- 上昇したセクター:電気機器(半導体関連)が市場全体を牽引しました。ソフトバンクGやアドバンテストといった半導体関連の大型株に加え、関連する電子部品メーカーなどに幅広く買いが波及しました。また、景気敏感株として非鉄金属や海運株、保険などが堅調でした。
- 下落したセクター:医薬品や食料品などのディフェンシブ株は売られました。食品・医薬品グループはこの日の東証指数でわずかに値下がりし、下落した数少ない業種に入っていますeconomictimes.indiatimes.com。リスク回避後退で防御的銘柄から資金が抜け、成長株へ流れている様子がうかがえます。
市場の二極化を象徴する例として、新興市場(グロース)指数の軟調が挙げられます。小型・成長株が多い東証グロース250指数は大幅に下落し、「プライム市場の大型株を買い、グロース市場の小型株を売る」という資金の流れが鮮明でした。これにより「半導体・AI」という限られたテーマに資金が集中し、それ以外の銘柄は供給源となって売り圧力にさらされる、幅の狭い相場展開が続いています。
注目銘柄分析:明暗を分けたポイント
個別銘柄を見ると、その日の相場の特徴がよりクリアになります。上昇した銘柄と下落した銘柄それぞれの要因を整理しました。
銘柄(コード) | 業種 | 終値(円) | 前日比 | 主な変動要因 |
---|---|---|---|---|
荏原製作所(6361) | 機械 | 2,696.5 | +11.0% | 半導体関連の「出遅れ銘柄」として注目。外資系証券の買い推奨も追い風。 |
ソフトバンクグループ(9984) | 情報通信 | 9,830 | +5.5% | OpenAIへの追加投資報道やAI・半導体需要期待で買い戻し。 |
アドバンテスト(6857) | 電気機器 | 10,680 | +4.8% | 米国AI関連株高を受けた半導体需要拡大期待で上昇。 |
アルプスアルパイン(6770) | 電気機器 | 1,551.5 | +5.6% | EV向け電子部品需要の拡大と証券レポートでの目標株価引き上げ観測が材料に。 |
ルネサスエレクトロニクス(6723) | 電気機器 | 1,738.5 | -11.8% | 長期目標(2035年)の先送りを示唆し、失望売りが加速。 |
ヤクルト本社(2267) | 食料品 | 2,693.5 | -2.7% | 6月の販売データ悪化と大株主提案(還元強化)否決が重しに。 |
サンバイオ(4592) | 医薬品 | 2,381 | -17.4% | 再生医療薬「SB623」の承認時期延期報道で急落。一時ストップ安。 |
上昇銘柄の特徴:アドバンテストやソフトバンクGは、まさに市場テーマの象徴として買われています。これに加え、荏原製作所のような関連銘柄にも買いが広がり、物色範囲が徐々に拡大していることがうかがえましたeconomictimes.indiatimes.com。
下落銘柄の特徴:ルネサスやサンバイオのように、個別企業のネガティブ材料には市場の好調さも関係なく厳しい評価が下されました。また、ヤクルトのように業績・株主還元の懸念が強い銘柄も売り圧力を浴びています。
今後の展望と投資戦略
テクニカル面では、日経平均が3万9千円を明確に突破したことは強気サインですが、半導体・AIに資金が極端に集中した「幅狭のラリー」である点には留意すべきです。このテーマが失速すると相場全体の調整圧力が高まるリスクがあります。今後注目すべき点は以下の通りです。
- 米国の経済指標:今週発表予定の米四半期GDPやPCEデフレーター(個人消費支出指数)は、FRBの金融政策見通しに影響します。予想以上の悪化は世界的なリスク回避を招きかねません。
- 為替動向:1ドル≒144円までの円高進行が見られたように、さらに円高が進めば輸出企業業績への懸念から株式市場の重しになり得ますkabutan.jp。今後の円相場の推移を警戒する必要があります。
- 半導体セクターの動向:日経平均がこのテーマに大きく依存している以上、米国のNVIDIAをはじめとした主要半導体株のニュースや決算発表が日本市場にもダイレクトに影響します。AIブームの勢いが続くかどうかを見極める材料となります。
まとめ
市場テーマが狭い分、半導体・AI銘柄への投資は維持しつつも、過度な集中は避けるべきです。物色対象が拡大している点に注目し、半導体製造装置や素材メーカーなど関連分野へも分散することが有効です。また、市場全体の急反転に備えリスク管理を怠らない姿勢が求められます。今後も市場テーマや資金フローを注意深く見守りつつ、局面に応じた柔軟な戦略が重要になるでしょう。
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